まとめと考察
ということで簡単ながらテスト結果をご紹介した。ざっくりまとめると、Radeon RX Vega 64はGeForce GTX 1080とかなり近いところまで性能を高めており、上回るとは言わないまでも同等レベルと判断してよいと思う。
一方、Radeon RX Vega 56もかなり性能が高く、場合によってはGeForce GTX 1080に近い性能を出すことができる。今回は比較できなかったが、競合製品と目されるGeForce GTX 1070と比較してもかなり良い結果になるであろうことが容易に想像できる。ただし、どちらも消費電力は話にならないレベルで、競合と比較して100W増しである。
このあたりがわかっているためか、AMDはなかなか意欲的な価格で製品投入をもくろんでいる。AMD Capsaicin Siggraph 2017のレポートにも書いた通り、Radeon RX Vega 64が499ドル、Radeon RX Vega 56が399ドルになっている。
ざっとAmazon.comで調べてみると、8月14日現在の最安値はGeForce GTX 1080が549.99ドル、GeForce GTX 1070が469.00ドルというあたりで、50~70ドルほど安く設定されているわけだ。
ところが、日本での価格は、Radeon RX Vega 64が73,800円前後に設定される模様だ。換算レートで言えば1ドル147.9円ということになる。同じ換算レートだとするとRadeon RX Vega 56は59,800円あたりになりそうな感じだ。
同じく8月14日付のAmazon.co.jpでの最安値はGeForce GTX 1080が64,778円、GeForce GTX 1070が49,999円となっており、競争力があると言うには厳しい状況である。もうすこし換算レートがどうにかなれば、また話は違うのだろうが。
そんな訳で、筆者としては「もう少し換算レートがこなれたら考慮する余地はあり」といったところである。