SBI証券とNECは8月8日、人工知能(AI)を売買審査業務に適用する実証実験を開始したと発表した。

SBI証券の売買審査業務は、あらかじめ設定した基準によって不公正取引の可能性のある注文をシステム的に幅広く抽出し、そのデータの中から審査担当者が不公正取引の可能性を判断。その後、疑いのある注文については更に詳細な調査を進めるという2段階のフローとなっていたが、初期調査のデータが多いため、業務効率の向上が課題となっていたという。

今回の実証実験ではNECのAI技術群「NEC the WISE」の1つであるディープラーニング(深層学習)技術を搭載した「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を導入し、過去の不公正取引を「RAPID機械学習」に学習させることで、審査担当者による初期調査の大部分を「RAPID機械学習」に代替する というもの。

実証実験のイメージ

両者は同実験により、審査担当者の業務負担を軽減しつつ、高度な分析が必要な取引に注力できるようになると期待している。また、あらかじめ設定した内容だけでなく、学習機能によって新たな不公正取引の傾向もつかむことができると考えている。