NTTコミュニケーションズは24日、日本のMVNOとして初めて「eSIM」の実証実験を開始したと発表した。香港で提供しているモバイル通信基盤をベースに、遠隔SIMプロビジョニングが可能な環境を構築。日本および香港でGSMA(携帯通信事業者の業界団体)準拠のビジネス向け「M2Mモデル」と一般向けの「コンシューマモデル」を使った実証実験を行う。

「M2Mモデル」の実証実験では、グローバルで利用するIoTデバイスなどを想定し、海外に出荷した際に遠隔で通信を有効化、その国に合わせた通信プロファイルに切り替えることなどを実証。「コンシューマモデル」の実証実験では、スマートウォッチやモバイルPCなどにeSIMを組み込み、遠隔操作で通信事業者を切り替えるプロセスなどを確認するという。また、eSIMと組み合わせ可能な埋め込み技術を有するパートナーとの共同実験も実施する予定だ。

「M2Mモデル」と「コンシューマーモデル」についての実験概要

eSIMとは、遠隔操作で契約者情報などの通信プロファイルを書き換えられるSIMのこと。2014年に、NTTドコモより「docomo M2Mプラットフォーム」でM2M向けeSIMの提供が開始され、2017年5月にはコンシューマ向けタブレット「dtab Compact d-01J」にeSIMが採用されるなど、普及が進みつつある。今回、MVNOのNTTコミュニケーションズが実証実験を開始したことで、格安SIMの通信事業者を簡単に変更できるようになる可能性が高くなり、一般ユーザーへのメリットが期待できる。