20日にLenovoが米ニューヨークで開催したイベント「Tech World Transform」で、同社はThinkブランドのPCに関する3つの発表を行った。1つはThinkPad 25周年アニバーサリーモデルの提供、そして弁当箱サイズのワークステーション「ThinkStation P320 Tiny」、もう1つはThinkポートフォリオのスマートオフィスへの拡大だ。

ThinkPadは10月に25周年を迎える。特に日本には熱心なファンやコレクターが多数存在し、ブログやフォーラムにあふれる特別モデルの登場を熱望する声に応えて、今年の後半に限定エディションという形で25周年アニバーサリーモデルを提供する。今回は提供計画の発表のみで詳細は不明だが、ThinkPadの歴史を作ってきた伝統的な機能と、今日のThinkPadの最高にパワフルな機能を兼ね備えるモデルになるという。

ThinkStation P320 Tinyは本体サイズが179×183×35ミリ。弁当箱サイズにパフォーマンスを凝縮した「最小のプロフェッショナル向けワークステーション」である。ISV各社が行う厳密な認証テストをクリアしている。

タワー型のパワーを弁当ボックスサイズに

2020年には、ミレニアルズが世界の労働人口の50%に達する。スマートフォンやタブレットを使いこなすミレニアルズはシンプルで高性能なデバイスを好み、そうした最新のテクノロジーに敏感な経営者を評価する。ワークスペースも変化しており、1人あたりのオフィススペースが2010年から30%以上も縮小した。すっきりとシンプルな仕事環境が求められるようになった結果であり、それに伴って仕事のツールへの要求も変わってきている。P320 Tinyはタワー型がフィットしない新しいオフィス、これからのワーカーが求めるワークステーションを形にした。

プロセッサは第7世代Intel Core i7、グラフィックスにNVIDIA Quadro P600をサポートする。メモリースロットは2つ用意されていて最大32GB。前面にマイク端子、ヘッドセット端子、USB 3.0×2。背面に、Mini-DisplayPort×4、DisplayPort×2、USB 3.0×4などを装備。アンダーデスク・マウント、VESAマウント、サンドイッチ・マウントといったマウントが用意されている。価格は849ドルから。

仕事環境や働き方の変化に伴って、ハドルルーム(Huddle Room)というワークスペースが普及し始めてる。5~6人収容の小規模なワークスペース/会議室だ。そのサイズでコラボレーションツールやAV機器を活用することで、コミュニケーションの活性化が生みだされる。そうした変化に応じて、Lenovoは各種デバイスとソフトウエア・アーキテクチャをまとめたThinkポートフォリオで、IntelやMicrosoftといったパートナーと協力してスマートオフィス管理のソリューションを提供する計画だ。今年後半の製品提供開始を目指す。

イベントでは、未来のThinkPadのコンセプトも披露した。ヒンジがなく柔軟に曲がる大きなディスプレイにスリムなThinkPadキーボードを装備する。デザインに目を奪われるが、ルック&フィールだけではなく、先進的なマテリアル、グリーンテクノロジー、手書きと音声への対応、常時接続、常時アクセス、複数のインプット/アウトプットでのコミュニケーションなど、Lenovoが考えるこれからのパーソナライズドコンピューティングがコンセプトデザインには描かれている。