日立製作所は6月9日、日立のリモート・ブレイン構成のロボットIT基盤を利用した、三菱東京UFJ銀行による商品・サービスの紹介を行う実証実験を支援すると発表した。同実験は6月12日から16日にかけて、東京都千代田区の同行本店において実施を予定している。

実証実験のイメージと簡略フロー

日立のロボットIT基盤は、音声・画像・言語処理などの知能処理をロボットの外側で行うリモート・ブレイン構成を採用しており、ロボットと組み合わせて利用することで、高度な接客や案内サービスの提供が可能だという。

今回の実証実験では、ロボットIT基盤の音声認識、音声雑音除去、対話の意図理解といった機能を利用し、同行が保有する人型ロボットである「NAO」による来店客への商品・サービス紹介を行う。

具体的には、まずNAOは近づいてきた来店客を検知し、あいさつする。そして、来店客にいくつか質問し、その回答内容を踏まえて「三菱東京UFJ-VISAデビット」、スマートフォン用アプリケーションである「三菱東京UFJ銀行」、同行が提供する対話型の質問回答アプリケーションである「バーチャルアシスタント」のうち、いずれかをおすすめする。

また、NAOの発話内容とNAOの横に設置したタブレット端末の表示内容は連動可能であり、紹介した商品・サービスの利用を来店客が希望する場合は、その利用申し込みページやアプリケーションのダウンロードサイトのQRコードを表示し、案内する。

両社は今回の実証実験を通じて、ロボットIT基盤を利用するロボットの対話能力や、ロボットによる商品・サービス紹介の実用性を検証し、来店客への接客・案内サービスの品質向上と、新たな付加価値を創造するという。

また日立は、今後もロボットIT基盤の性能向上や機能拡充、スマートフォンやタブレットなど多様な情報デバイスの利用を推進し、金融機関を始めとしてビジネスや社会の発展に役立つサービスの実用化を目指す。