スマートフォンで操作するリモートコントロール玩具を販売する米スフィロ社は、ディズニー/ピクサーの最新映画『カーズ/クロスロード』シリーズの主人公、ライトニング・マックィーンを忠実に再現した「アルティメット・ライトニング・マックィーン」を6月23日に発売する。単に走らせるだけでなく、アニメーションの動きを忠実に再現する点が特徴だ。

スフィロ社はこれまで、球状の自走おもちゃ「Sphero」、ジャンプ等のアクションも可能な「ollie」、Spheroを学習用に改良した「SPRK+」、そして『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場したBB-8の動作を忠実に再現した「BB-8」とリストコントローラーの「Force Band」などを販売してきた。そして今回投入するのが、『カーズ/クロスロード』の主人公「ライトニング・マックィーン」をリアルに再現したリモートコントロールモデル「アルティメット・ライトニング・マックィーン」だ。

サイズは全長25.1cm、全幅12.7cm、全高8.2cm、重量は916g。概ね1/18サイズのミニチュアカー程度といえばおもちゃ好きな人には伝わるだろうか

操作はiOSまたはAndroid用アプリを利用する(無料)。スマートフォンとの接続はWi-FiおよびBluetooth v4以上となるため、iPhoneであればiPhone 5s以降、iPadなら第3世代、またはmini 2以上、iPod Touchなら第6世代での対応となる。Androidの場合はOSが5.0以上で、搭載するBluetoothのバージョンが4.0以上の端末が必要だ。

電源を入れ、アプリを起動して近づけば、接続はほぼ全自動で行える。操作可能な通信距離は約30m。カメラは付いていないので、目視確認できるところで操作しよう

まずプロポーションだが、ワイドでマッシブ感にあふれつつ艶かしさも兼ねそなえた、レーシングカーらしいライトニング・マックィーンの雰囲気を完璧に再現するものだ。全身に記された「ラスティーズ」を始めとするスポンサーらのロゴはシールではなく印刷で再現されており、安っぽさはない。

ヘッドライトおよびリアのライトが点灯する。雰囲気はバッチリだ

ボディの左後方にある給油口は別パーツになっており、外すと充電用のポートが顔を出す(充電は専用のACアダプタを使用)。こだわりを感じる部分だ

『カーズ』の世界では人間が存在せず、自動車(や飛行機)はそれぞれ自我を持ち、フロントウィンドウに大きな目が、そしてフロントバンパーのあたりに口が描かれる。これまでに登場した『カーズ』のおもちゃでもそれらは再現されてきたが、アルティメット・ライトニング・マックィーンでは、フロントウィンドウに台形の液晶パーツを採用し、感情豊かにキョロキョロと動く目の動きを再現している。また、口の部分にもわざわざ専用のモーターを搭載し、セリフに合わせて口が動くようになっている。

目を閉じたところ(左)と開いたところ(右)。目玉は常時キョロキョロとよく動き、瞬きもする

動きの再現性という点では、フロントタイヤが専用の電動サスペンションによって大きく上下できるようになっており、ボディを左右に大きく捻る動きと、フロントウィンドウの目の動きによって感情を豊かに表現する。一連の動きは、7月15日から公開されるシリーズ最新作『カーズ/クロスロード』のアニメーション監督であるボビー・ポデスタ氏が直々に監修したもので、『カーズ』世界の動きを完璧に再現している。

サスペンションは左右が独立して大きく上下に動く。ちなみに駆動輪は前輪のみで、リアタイヤは駆動しない。これによってドリフトやドーナツターンといった動作が可能になっている

走らせる以外の機能としては、まずルーフ、エンジンフード、両ドア、リアウィンドウがタッチパネルになっており、タッチすると反応してリアクションを返す。また音声も内蔵しており、映画『カーズ/クロスロード』の声優そのままの声でさまざまなセリフをしゃべってくれる(日本語版では吹き替えの土田大氏が担当する)。また、アプリ内でピット作業を競うゲームが遊べたり、映画『カーズ』シリーズをライトニング・マックィーンと一緒に見ると、マックィーンがシーンごとに解説や感想を言ってくれるモードもある。

操作はスマートフォン用の専用アプリを使って行う。左側の仮想ジョイスティックで加速およびステアリング操作、右側のボタンでリバースギア、ドリフト/ドーナツターンしやすいモードへ、強力な加速ができるターボモードにそれぞれ切り替えられる。若干の慣れは必要だが、基本的にはライトニング・マックィーンが向いている方向に対して左右に動かすだけでいい。

なお、本機はあくまでリモコンカーであり、プログラミングや人工知能による自動走行はできない(将来的に追加される可能性はあるが)。こうしたハイテクが使えないのは時代的にはやや残念なところもあるが、あくまでピュアなレースカーであるライトニング・マックィーンの再現という意味では妥当なところだろう。開発者があえてそこまで考えたかはわからないが、今夏公開の新作映画のテーマに絡めて考えても面白そうだ。

価格は3万8,380円(税抜)とやや高いが、ライトニング・マックィーンの走りだけでなくすべてを再現したいファンにとって、「究極」を関する本機は最適な一台だ。ファングッズとしてはもちろん、現在スマートフォンから操作できるリモコンカーとしては最高レベルのものだと言えるだろう。