Apple開発者プログラムの登録者数は約1,600万人。昨年だけで300万人も増加した。WWDC17の現地参加者数は約5,300人、世界75カ国から集まっている。登壇したTim Cook氏 (CEO)は「過去最大、そして最高のWWDC」になると宣言、最年少であるオーストラリアから参加した10歳のYuma Soeriantoくんと、日本から参加した82歳の若宮正子さんを紹介して基調講演をスタートさせた。ちなみにYumaくんは6歳でプログラミングを始めて、すでに5つのアプリをApp Storeに登録している。若宮さんは今年初めに初めてのiOSアプリの配信が始まったばかり。アプリを作るのに早すぎることはないし、何歳になっても始められる。大切なのはやる気とアイディアである。

オーストラリアから参加したYumaくんと日本から参加した若宮正子さん

基調講演本編は、以下の6つのテーマで進められた。

  1. tvOS: AmazonがtvOSアプリを提供するというビッグニュースが発表されたが、tvOSのアップデートには触れずに2分弱で終了。

  2. watchOS 4: 様々な機能の中から、時刻やユーザーの行動分析から必要な情報を必要に応じて表示させる「Siriウォッチフェイス」、Apple Musicのプレイリストへのアクセスなどをデモ。

  3. Mac: 今年はmacOS新版の名称で引っ張らずにあっさりと「macOS High Sierra」を発表した。新テクノロジとして、Apple File System (APFS)、H.265、Metal 2の3つを紹介。そしてiMacのアップデートを発表、Metal for VRに関連してIndustrial Light & MagicのJohn Knoll氏が登壇、VRコンテンツ作成におけるオブジェクト配置のデモを披露した。続いてMacBookおよびMacBook Proのアップデートを発表。最後にiMac Proのスニークピークを行った。

  4. iOS: 「iOS 11」を発表。数々の新機能を紹介した後に、新デザインのコントロールセンターおよび通知センター、Live Photosのループ/バウンス/長時間露光、新しいメモリー、向上したSiriのプロアクティブアシスタント、新デザインのApp Storeなどをデモ。テクノロジー面では機械学習とAR (拡張現実)にスポットライトを当て、Peter Jackson氏が設立したWingnut ARが開発中のARコンテンツのデモを披露した。

  5. iPad: 10.5インチiPad Proを含むiPad Proの刷新を発表。SerifのAsh Hewson氏がユーザー待望のiPad版「Affinity Photo」(6月5日発売)を使って「パイレーツ・オブ・カリビアン」のポスターを作成するデモ。そしてDockやドラッグ&ドロップなど、秋に登場するiOS 11のiPad向け機能強化を説明。最後にApple Pencilの「インスタントマークアップ」をデモ。

  6. ミュージック:ホームミュージックを再発明するデバイスとして「HomePod」をスニークピーク発表

MacもVR対応に。HTCのViveを使ってEPIC GamesのLauren Ridge氏がStar Warsユニバースのリアルタイムデモ

指先とApple Pencilだけの操作で、iPad Pro上でパワフルにポスターを仕上げていく「Affinity Photo」のデモ

iPhone 10周年のタイミングでリリースされる「iOS 11」、基調講演で紹介された新機能や新技術、これらでもまだ一部でしかない大規模なアップデートになる