米Appleは6月5日 (現地時間)、同社の開発者カンファレンス「WWDC17」の基調講演において「iPad Pro」シリーズの刷新を発表した。Retinaディスプレイ、プロセッサ、カメラなどが強化され、小型モデルがより広い10.5インチのディスプレイを搭載、「10.5インチiPad Pro」と「12.9インチiPad Pro」のラインナップになった。

10.5インチiPad Proのディスプレイは、9.7インチモデルよりも約20%大きい。本体サイズは250.6×174.1×6.1ミリで469グラム(Wi-Fiモデル)。9.7インチモデル (240×169.5×6.1ミリ、437グラム)と同じ厚みで一回り大きくなったが、10.5インチモデルはオンスクリーンでフルサイズキーボードを表示できる。内蔵バッテリーは30.4Wh、バッテリー動作時間は9.7インチモデルと同じ最大10時間 (Wi-Fiインターネット利用/ ビデオ再生/ オーディオ再生)。

ディスプレイの縁が細く、本体サイズが大きくなるのを抑えて10.5インチにディスプレイを拡大

新しい12.9インチモデルのサイズは305.7×220.6×6.9ミリ、重量は677グラム (Wi-Fiモデル)。前世代と同じサイズで軽量になった。内蔵バッテリーは41Whで、バッテリー動作時間は最大10時間。

ディスプレイ解像度は、10.5インチモデルが2,224×1,668 (264ppi)、12.9インチモデルが2,732 x 2,048 (264ppi)。新しいRetinaディスプレイは120Hzのリフレッシュレートに対応。輝度600ニトの広色域ディスプレイ(P3)で、反射防止コーティングによって反射率が1.8%に抑えられている。周囲の光に合わせてディスプレイの色や明度を自動的に調整するTrue Toneの利用が可能。

リフレッシュレートの向上でApple Pencilのレスポンスが良くなり、書き心地がさらに快適に

プロセッサは、6コアCPU (高性能コア×3、高効率コア×3)と12コアGPUから成る「A10X Fusion」。前世代モデルが搭載するA9XよりもCPU速度が30%、グラフィックス処理速度が40%速い。

メインカメラは、6枚構成のf1.8レンズ、光学手ぶれ補正機能を搭載する12メガピクセルカメラ。4Kビデオ (30fps)を撮影できる。フロントのFaceTime HDカメラは、f2.2レンズの7メガピクセルカメラだ。

以下は、10.5インチと12.9インチの共通の仕様。

  • ストレージ: 64GB/ 256GB/ 512GB
  • ワイヤレス: Wi-Fi (802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth: 4.2
  • その他: Touch ID、4スピーカーオーディオ、デュアルマイク
  • Wi-Fi+Cellularモデル: nano-SIM (Apple SIMに対応)、GPS
  • カラー: シルバー、ゴールド、スペースグレイ (10.5インチにはローズゴールドも)

搭載OSはiOS 10だが、Appleは今秋にiPad向けの新機能や機能強化を含む「iOS 11」を提供する予定。ドラッグ&ドロップ、Dock、Appスイッチャー、「ファイル」アプリなどを利用できるようになる。

「iOS 11」のDockとAppスイッチャー

新しいiPad Proは、すでにAppleのオンラインストアで予約購入できるようになっており、基調講演前のメンテナンスから再オープンした時点の配送予定日は6月14日。価格は以下の通り。

10.5インチiPad Pro

  • 64GB: 69,800円 (Wi-Fi)、84,800円 (Wi-Fi+Cellular)
  • 256GB: 80,800円 (Wi-Fi)、95,800円 (Wi-Fi+Cellular)
  • 512GB: 102,800円 (Wi-Fi)、117,800円 (Wi-Fi+Cellular)

12.9インチiPad Pro

  • 64GB: 86,800円 (Wi-Fi)、101,800円 (Wi-Fi+Cellular)
  • 256GB: 97,800円 (Wi-Fi)、112,800円 (Wi-Fi+Cellular)
  • 512GB: 119,800円 (Wi-Fi)、134,800円 (Wi-Fi+Cellular)