情報通信総合研究所は5月25日、ユーザーがインターネット上で動画や音楽、写真などのコンテンツを投稿・共有することにより生み出される価値をコンテンツの提供者側と利用者側に分けて推計し、その結果を公表した。

同調査は、2016年12月1日~12月3日の3日間、20代~60代の男女2663名を対象にWebアンケートにて実施したもの。ICTサービスの利用状況や利用サービスに支払う金額、支払意思額(サービスの利用に対して支払っても良いと思う金額)、投稿回数や投稿にかける時間等について尋ねた。

これによると、ブログ・SNSや口コミサイト、音楽・動画視聴サービスへの投稿といったユーザー投稿コンテンツの価値は3957億円、サービスの利用者1人あたりの金額にすると1カ月あたり927円にのぼることがわかった。

インターネット上で創出されるコンテンツの価値と消費者余剰

ユーザーが投稿したコンテンツは、他のユーザーが閲覧して楽しんでおり、結果として情報共有プラットフォームの広告収入につながっている。同社は、この循環がインターネット広告費の増加につながっていると分析している。

また、ユーザーは自分が楽しむためにブログ・SNSなどの書き込みをしてコンテンツを生み出しているという点が重要であると主張。

ユーザーがコンテンツを楽しむことによって感じる価値を、消費者余剰(サービスに対して支払っても良いと思う金額と実際に支払っている金額の差)として推計すると、消費者余剰は年間で2581億円となるとした。

これをサービスの利用者1人あたりの金額にすると、1カ月あたり569円となり、サービスの利用者は実際に支払っている金額以上に大きな価値を感じていることが明らかになった。