弁護士ドットコムとデジタルガレージ(DG)の子会社であるベリトランス、クレディセゾンは5月15日、サービス連携し、Web上で契約書作成、締結、保管する「クラウドサイン」での契約締結と契約にかかわる決済を同時に実行できる「クラウドサインペイメント」を開発し、契約から決済までが一元化されたクラウドサービスを8月に開始すると発表した。

クラウドサインペイメントは、クラウドサインにおける契約締結と同時に決済を実行することが可能になるサービス。紙と印鑑による作業が発生していた、契約にもとづく請求業務や取引先からの代金回収、与信業務の軽減を可能としている。

同サービスのメリットとして、(1)請求書作成、印刷、送付、入金確認などの事務作業が不要になり、コスト削減、(2)最短2営業日後の入金で、振込などによる代金回収よりも入金サイクルの短期化、(3)月額課金契約などにおいて、毎月発生していた請求業務の削減、(4)決済手段はクレジットカード決済のため、取引先与信リスクの軽減、(5)支払者側は振込作業が不要のため、業務効率化の向上が図れるという。

同サービスの導入により、契約から支払いまで、契約締結にかかわる作業をクラウド上で行えることとなり、契約にかかわる作業のスピード化とコスト削減による効率化を実現するという。

ユーザーは、クラウドサインに契約書をアップロードし、用意されている決済タグに決済情報を入力後、契約を締結することで、契約の締結と決済が同時に実行でき、利用方法はクラウドサインで事前申込後、契約締結時に利用を可能としている。

入金サイクルは標準サービスで月3回締め、5営業日後入金/月末締め、翌月末入金、早期入金サービスで毎日締め、2営業日後入金/月6回締め、2営業日後入金となる。決済手段はセゾンカード、UCカードまたはVisa、MasterCardブランドのクレジットカードとなり、利用可能端末はパソコン、スマートフォン、タブレット。

なお、契約先形態(法人・個人)や利用クレジットカード、早期入金サービス利用に応じた決済・月額手数料は別途利用者負担のほか、スマートフォン、タブレットは契約の受信のみの対応となる。

「クラウドサインペイメント」における各社の役割

DGとクレディセゾンは、2016 年7月にオープンイノベーション型の研究開発組織「DG Lab」をカカクコムと共同設立し、重点研究領域の1つとして、仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーン技術を活用した新たなプロダクトを開発している。

こうした技術の事業化を推進する実用的なプロダクトとして、クラウドサインとクラウドサインペイメントを発展させる形で弁護士ドットコム、DG Lab、ブロックチェーン関連技術の開発を手がけるカナダのBlock streamと共同で、契約締結・決済・履行管理などの契約関連業務が自動執行され、契約締結実務を効率化するとともに安全に進める技術であるスマートコントラクト・システムの開発を推進している。

今後も各社が連携し、法律、金融と技術の融合を進め、リーガルテックサービスの企画を開発していく方針だ。