電子書籍と紙の書籍の間には何らかの関係性があるのだろうか。LINEが先月開催したプレスセミナー「スマートフォン時代におけるマンガ市場の最新動向について」で、興味深い事実が提示された。

LINEマンガは4周年、最大級のプラットフォームに

まずはLINEの森啓執行役員より、出版業界全体とマンガ販売の最新状況が発表された。出版業界は全体的に売上が落ちている中、コミックは順調に売上を伸ばしており、その内訳をみると、電子コミックが大きく貢献しているというのだ。

出版物の販売金額は微減だが、コミックに限れば紙と電子を合計した販売金額は右肩上がりに伸びている

コミック市場を紙と電子で分けてみると、紙のコミックの売上は減少傾向にあるが、電子コミックがそのぶんをカバーするように伸びている

読書時の媒体別に分けてみると、紙の書籍は微減だが、スマートフォンを使ってコミックを読む層はかなりの勢いで伸びてきている

LINEがマクロミルに委託した調査によると、新しいマンガ作品に触れる経路として「書店」が49%と依然として強いものの、「スマホマンガアプリ」が44%と接近しているという。かつてマンガ作品は書店店頭や雑誌などを介して紹介され、広がっていったが、最近は雑誌の代わりにスマホ用のマンガアプリがその役割を果たしつつある、と言っていいだろう。

写真が見づらくて恐縮だが、左から書店、スマホマンガアプリ、SNS、クチコミ、コンビニ、ニュースアプリ、マンガ雑誌……と続く。雑誌がもはや新しいマンガを知る窓口になり得ていないというのはちょっとした驚きだ