「若年層をターゲットにしているので、従来の氷結の果汁感を担保しながらも飲み口を甘くしました。若年層は新しいものにチャレンジすることにやや抵抗があり、消費に関しても新商品よりも“慣れ親しんだ商品”を選択する人が多い傾向にあります。ただし新しいものに興味がないわけではない。ですので、なじみのあるダイヤ柄の氷結ロゴはそのままに、その土地の空気感も入れたパッケージに大胆アレンジしました」(小嶋さん)

(左から)キリンビールマーケティング本部マーケティング部の小嶋梨沙さんとデジタルマーケティング部の高柳裕行さん

若年層を開拓すること———そんなねらいにみごと合致したのが、高橋一生さんの公式Instagramだったのだ。3月21日のTVCM放送開始前に公式アカウントが開設されると、533ものWEBメディアでニュースとして取り上げられたという。当時はCM放送前ということもあり、高橋さんのInstagramが何の商品のPRなのか? と様々な憶測が飛び交い話題になっていたが、商品名を隠して話題化させることは、プロモーションチームの戦略だったのだ。

「今の若い人たちはテレビ視聴時間よりもケータイやスマートフォンへの接触時間が長いので、CMとデジタルを連動させるコミュニケーションを考えました。533という数は、私たちの経験からしても異例の数。また、(アルコール飲料のため)フォロワーは“20歳以上限定”。その意味深な文言にさまざまな想像力をかきたてられたお客様もいらっしゃったようですね(笑)」(小嶋さん)

TVCMにて。高橋さんの顔のアップが!

「過去に飲料品の公式アカウントを作り、プロモーションしたことはあるのですが、CMタレントのアカウントを作ったのは今回が初めて。本来Instagramというのは、Twitterに比べ拡散しないツールですが、たくさんのメディアが取り上げてくださったことで、CM放送前から注目が集まりました」(高柳さん)