米国時間の2017年3月29日、東芝の米国子会社ウェスチング社が米国連邦倒産法第11章(Chapter 11)に基づく再生手続を申し立てることを決議し、同日付でニューヨーク州連邦破産裁判所に申し立てしたと、東芝が発表した。
同日東芝が開催した説明会で、同社の当期純損益は、6200億円規模の追加悪化となり、1兆100億円の赤字。株主資本については、4700億円規模の追加悪化となり、6200億円のマイナス。連結純資産では、4500億円規模の追加悪化となり、3400億円のマイナスになる可能性があるという。
さらに今回のチャプター11の申請によって、2016年度通期の連結決算からウェスチング社が連結対象からはずれることも発表された。
ウェスチングハウスが申請したチャプター11とはなにか。企業の破産申請などに詳しい中央総合法律事務所の山田晃久弁護士に聞いた。
チャプター11とは
アメリカ合衆国法典の第11編に収録されている連邦倒産法のうち、日本でいうところの民事再生手続を定める規律(第11章)に基づく再建型手続をいう。民間企業の倒産手続については、第7章と第11章があるところ、第7章はいわゆる破産手続であり、第11章がいわゆる民事再生手続に相当する。チャプター11というと、近時の大型事例としては、ゼネラルモーターズやリーマンブラザーズの例が挙げられる。
日本の民事再生法との最も大きな違いは、チャプター11では、債務者申立の場合、裁判所の判断を待つことなく、申立と同時に手続が始まるところ。適用申請を裁判所に申し立てすると同時に、手続に入ることから、速やかに財産の保全を図ることができる。このことを、オートマチック・ステイという。
ウェスチングハウス社は今この状態。