グーグルのChrome OSを搭載したノートPC「Chromebook」が、盛り上がりの兆しを見せている。PC市場ではWindowsとMacがシェアの大半を占めており、付け入る隙はないようにも思えるが、Chromebookのどこに優位性があるのだろうか。
米国の学生にヒット、実は企業ユーザーも
Chromebookが大規模に普及しているのは、教育機関だ。グーグルによれば世界で2000万人の生徒がChromebookを利用しているという。特に爆発的に売れているのは米国だが、その成功が波及効果を生んでおり、米国以外の文教市場にもChromebookの進出が始まっている。
大学生のレポート作成など、特に高等教育の現場ではキーボードの需要が高いという。その点、Chromebookはキーボードを搭載したノートPCでありながら、WindowsやMacよりもシンプルで価格も安い。多少手荒にあつかっても壊れない頑丈さを売りにする製品も多い。
また、WindowsやMacのCPUはほとんどインテル製だが、Chromebookでは省電力で安価なARMアーキテクチャのCPUにも対応する。プロセッサーの選択肢が広いこともChromebookの隠れた特徴だ。
学生向けだけでなく、企業ユーザーからの引き合いも高まっている。ChromebookからリモートのWindows環境にアクセスし、あたかもWindows PCのように業務アプリなどを利用する「シンクライアント」として導入されているという。
なぜ、Windows PCを使わずにわざわざリモートから接続するのか。接続先のWindows環境はクラウド上で集中的に管理されており、業務で扱うデータがクラウドの外に出ることはない。Chromebook本体には一切データが残らないため、紛失時のリスクが大幅に下がるというわけだ。