1月17日、NECパーソナルコンピュータ(以下NEC)は学生に狙いを定めたモバイルノートPCの新モデル「LAVIE Note Mobile」を発表し、春商戦にぶつけてきた。

その背景には日本で進行する「若者のPC離れ」がある。国力の衰退につながりかねない社会問題の解決に、NECとしても貢献したいとの思いがあるという。果たしてそんな若者にPCを買ってもらえる勝算はあるのだろうか。

「若者のPC離れ」は本当に問題か

発表会でNECが改めて指摘したのが、「若者のPC離れ」だ。内閣府による2013年の調査によれば、日本では特に13〜15歳の若年層のPC所有率が低く、諸外国とは大きく異なる数値を示している。

  • 日本の若年層に顕著な「若者のPC離れ」

この調査から4〜5年が経過したいま、大学生になった彼らはどうなったのか。NECの商品開発に協力した青山学院大学の現役学生は、「レポートを書くとき以外にはPCを使わない学生も多い」と語る。NECの調査では大学4年生の7割がPCスキルに自信がないと回答しており、若者のPC離れの傾向はたしかにあるようだ。

  • 学生のPC利用の実態を語る青山学院大学 教育人間科学部4年の山田晃子さん

ところで、若者がPCを使わないことは本当に問題なのだろうか。「PCが使えない新入社員」は年々増えているとはいえ、ビジネスマナーのようにすぐに習得できるとの声も多い。今後、単純なPC作業は自動化される方向にあり、職場におけるPCの地位は変化していく可能性もある。

だが、ITのリテラシーを効率良く身に付けるには、PCに触れることが最も近道であることも事実だ。現実には多くの会社が仕事の中心にPCを据えていることを考えても、PCを使えるに越したことはなく、学生にとって将来の選択肢は広がるはずだ。