エプソンは8日、大容量インクタンク(エコタンク)を採用した、プリント・コピー・スキャナ機能を持つインクジェット複合機「EW-M770T」を発表した。3月2日から発売し、価格はオープン、店頭予想価格は6万円台後半(税別)の見込み。

EW-M770T

前面の給紙トレイ

EW-M770Tのインク構成は、顔料ブラックと、染料のシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックという全5色。インクはボトル型になっており、本体前面の注入口からユーザー自身が継ぎ足していく。顔料ブラックのみ、そのほかの色よりも大容量となっている。

インク補充については、従来のエコタンクモデル(EP-M570T)から大きく改善。本体注入口とインクボトル先端の形状が「色」ごとに異なり、例えばシアンならシアン注入口にしかセットできなくなった。インクボトルは逆さまにセットし、インクの充填と停止は自動だ。本体のインクタンクが適切な量まで回復すると、充填が自動で止まる。こうした改良によって、インク補充のときに手が汚れにくくなり、本体を運搬するときもインクが漏れにくくなった。

インクボトル

本体のインク注入口と、補充のイメージ、インクボトル先端の形状

各色インクボトルの価格はオープン、店頭予想価格(税別)は顔料ブラックが2,400円前後、染料各色が1,200円前後となる。1本のインクボトルに入っているインク量は、本体のインクタンクを満タンにして少し余るくらいだ。A4カラー文書の場合、1回のインク交換で印刷可能な枚数の目安は、染料カラーインクが約5,000ページ分、染料ブラックインクが約11,500ページ分、顔料ブラックインクが約8,000ページ分。1枚あたりの印刷コスト(税別)は、A4カラー文書が約1.3円、A4モノクロ文書が約0.5円、L判写真印刷が約6.0円(用紙代を含む)。

また、廃インクを貯める「メンテナンスボックス」もユーザーによる交換が可能となり、修理対応によるダウンタイムを短縮。メンテナンスボックスの店頭予想価格(税別)は1,000円前後だ。ただし、フチなし印刷時の廃インクを溜める吸収材は、修理交換が必要となる。

印刷解像度は最高5,760×1,440dpiで、A4連続プリントの最高速度はカラーとモノクロとも約32枚/分、両面印刷時でカラーが約4.5lpm、モノクロが約5.5lpm、ファーストプリント時間はカラーが約17秒、モノクロが約16秒。給紙は前面2段トレイで、下段は主に普通紙を最大100枚、上段はハガキやフォト用紙を最大20枚セットできる。本体背面から1枚単位の手差し給紙も可能。

前面の操作パネルはチルト式で、2.7型のカラー液晶パネルを搭載する。操作は基本的に物理ボタンで、SDメモリーカードスロットによるダイレクト印刷にも対応。インタフェースはUSB 2.0、100BASE-TX対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANを備える。本体サイズは、トレイ類をオープンした使用時でW425×D598×H196mm、収納時でW425×D359H161mm、重量は約8kg。

今回のEW-M770Tは、従来のエコタンクモデルを使っているユーザーから寄せられた意見を各所に反映している。具体的には、染料インクによる写真印刷、フチなし印刷、CD/DVD/BDレーベル印刷、両面印刷などだ。従来モデルと比べて活用範囲が広がり、ホームユースでもビジネスユースでも、多機能と低ランニングコストのメリットがより大きくなった。