キヤノン「EOS M5」は、昨年11月に発売された同社ミラーレスカメラの最新モデル。独自の「デュアルピクセルCMOS AF」を一眼レフのEOSから継承するなど小さなボディに高機能を凝縮。その機能性と拡張性を生かすと、どんな写真が撮れるのか。旅のスナップと風景写真を見ながら、EOS M5の実写性能をチェックしていこう。
質感までリアルに表現できる細部描写力
筆者にとってEOS M5は、最近のお気に入りカメラのひとつ。約2カ月使い続け、その長所と短所、個人的な相性などもわかってきた。
メリットは、取り回しに優れた小型軽量ボディながら、同社の一眼レフ「EOS 80D」に匹敵する高機能と高画質、高速レスポンスを兼ね備えていること。タッチパネル&チルト可動対応の大きな液晶モニターや、EVF (電子ビューファインダー) をレンズ光軸上に配置した端正な外観デザイン、EF-Mレンズのほかアダプター経由で豊富なEFレンズが使える点も気に入っている。
EFレンズ「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」で撮影。EVFの内蔵とグリップの大型化によって、望遠レンズの使い勝手が向上している。絞り優先AE (F8 1/250秒) ISO100 WB:太陽光 焦点距離:70mm |
改善要望点として、EVFの表示が鮮やかすぎたり、シャッター音がやや切れ味不足と感じるところもあるが、旅行やスナップなど機動性重視の用途では、EOS M5のコンパクトなシステムが大きな強みになる。キットレンズでもある高倍率ズーム「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」と組み合わせれば、どんなシーンでも対応可能だと思えるくらい使い勝手のいいカメラになる。
下の写真は「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」の18mm側を使い、装飾扉に迫ったもの。薄暗い室内だったが、感度を高めつつ外部ストロボを発光させることで、ハイライトに輝きを作って素材感を強調している。
旅の写真では、風景の全体を捉えるだけでなく、こうした何げない被写体の細部に目を向けるのも面白い。このレンズは、高倍率ながら最短撮影距離が25cm (18-50mm時) と寄れるため、至近距離にある被写体も撮りやすい。テレ側にズームアップすれば、下のように遠近を圧縮した密度の高い写真も撮れる。
手持ちで夜景撮影も
次のカットは、カメラを三脚にセットし、3.2秒の低速シャッターで撮ったもの。旅先に三脚を持ち歩くのはそれなりの負担になるが、EOS M5の場合カメラが小型軽量なので、大きくて重い三脚を用意しなくていいのが助かる。クリアな発色と引き締まったシャドウの描写によって、ライトアップされた橋の立体感が際立った。
フットワークを優先するなら、夜景でも三脚は使わず、高感度+手持ちで撮るのもいいだろう。次の写真は、手ブレと被写体ブレを抑えるため、感度ISO6400で撮影したもの。拡大表示にするとノイジーではあるが特に汚い印象はなく、しっとりとした夜の雰囲気を的確に表現できた。