以前、ある取材先で“既卒者や第2新卒に特化した求人紹介・就活サポートが中心のベンチャーがある”と耳にした。「スワッ。ニートや引きこもり対策の切り札か!?」と、心の中でイメージをふくらませ、いずれ取材さていただこうと考えていた。

そのベンチャーが「UZUZ」(ウズウズ)。実際にお話をうかがうと、イメージとは若干異なっていたが、ユニークなビジネスモデルなのでレポートしよう。

UZUZ 代表取締役 今村邦之氏

東京・西新宿に居をかまえるUZUZのエントランスに入ると、代表取締役 今村邦之氏と、専務取締役 川畑翔太郎氏が出迎えてくれた。年齢はうかがわなかったが、お二人とも若く、おそらく“アラサー”ぐらいだろう。過去にもベンチャーを取材させていただいたが、経営のトップが若いビジネスパーソンという場合が増えている。今回のUZUZ取材も、そのベンチャーならではの傾向を改めて感じさせてくれるものだった。

では、なぜUZUZを設立したのか。これは、代表取締役 今村氏の経験によるところが大きく占める。

激務が続き一時的にニートに

今村氏は高校卒業後、米国の大学にてマーケティングを専攻。学年3位の成績をおさめ、飛び級で大学を3年半で卒業した経歴を持つ。エリートともいえる足跡だが、ここから苦労が始まる。当時、大企業を含む複数社から内定を得たが、起業への憧れや当時の自信からベンチャー企業への就職を決める。

実はそこがいわゆる“ブラック”だった。早朝出勤や深夜業務は当たり前で、今村氏は約9カ月で体調を崩し退職。体調を戻すためにいたしかたないとはいえ、一時的に“ニート”というような状態になった。日本では、短期間で離職した場合、企業の採用部門はその人材を警戒する傾向が強い。今村氏も例外ではなく、再就職には多くの壁が立ちはだかったそうだ。この当時の経験が、UZUZ設立の原動力になったのはいうまでもない。