ワコムは1月4日、同社独自の「アクティブES」(アクティブ静電結合方式)と、マイクロソフトの開発する「Microsoft Pen」の両プロトコルに対応するスタイラスペンを、「Bamboo」ブランドで発売すべく開発中であると発表した。

Bambooブランドは同社のペンタブレットやスタイラスペン、スマートパッド、スマートフォリオなどのラインナップで用いられているブランドだ。

「Bamboo Stylusシリーズ」のラインナップは、シンプルなデザインの「Bamboo Alpha」、シンプルながら描画も滑らかで三角柱のデザインをした「Bamboo Solo」、タッチスクリーンだけでなく紙への記述も可能な2つのペン先を持つ「Bamboo Duo」、より正確な手書きを実現する高品質な「Bamboo Smart」、iPad用の筆圧感知に対応する「Bamboo Fineline」となっている。

同社は2016年3月31日に、マイクロソフトからの「Microsoft Pen」プロトコルのライセンス供与について発表しており、当時は2016年後半のホリデーシーズンで両プロトコル対応ペンの導入を計画していた。

Bambooブランドから登場する予定のこの新しいペンは、両社協力による最初のスタイラスペンとなり、2つのメジャーなプロトコルに対応することで、Windows市場で最も高いペン互換性を実現することになる。複数の静電結合方式のペン対応デバイスを1本のペンで利用したり、Windows Inkを始めとするデジタルインクのアプリケーションを思い通りに操作できるようになる見通し。

ワコムでは2014年からアクティブES方式のペンソリューションをOEM各社に提供。マイクロソフトも2016年のWindows 10 Anniversary UpdateでWindows Inkの提供を開始し、デジタルペンの役割を重視している。また、ワコムは2016年10月に、デジタル文具の普及と発展を目的とした非営利団体「デジタルステーショナリーコンソーシアム」を設立している。コンソーシアムでは、市場の成長を促進することで、デジタルペンとデジタルインクの利便性を最大化し、多くのユーザーがクリエイティビティを自在に発揮できる世界の実現を目指す。アクティブESとMicrosoft Penの2つのプロトコルに両対応するデジタルペンの登場は、コンソーシアムの取り組みに沿うものと言える。

同社と同コンソーシアムは、1月6日にラスベガスでコンテクティド・インクのイベントを企画している。このイベントでは、様々な用途に応用できるデジタルインクの実現に向けて推進する「WILL(Wacom Ink Layer Language)」ベースのフォーマットの普及と管理に関する活動を紹介する予定だ。