日本国内では配信されていないが、米国のiTunes Storeでは(RED)の活動を追ったドキュメンタリー作品「The Lazarus Effect」を無料でダウンロードできる。メガホンはランス・バングス監督、プロデューサーにはスパイク・ジョーンズ氏が名を連ねる。(RED)の活動について知りたい人にお勧めの1本だ。その中に、エイズで子どもを失い、自分もエイズに侵されながら、エイズであることを隠さずにカウンセラーとして活動する女性が登場する。

iTunes Storeで無料配信されている「The Lazarus Effect」

エイズを完全に治療することは難しい。しかし、抗レトロウイルス剤を服用する治療によって、HIVに感染しても発病を防止でき、長く生きられるようになった。妊娠中の女性が治療を受けることで、母子感染の可能性も大きく減少する。かつて1人あたり年間10,000ドルもかかっていた治療コストは、年間約100ドルにまで下がっている。1日に30セントもかからないのだ。抗レトロウイルス剤の提供に加えて、HIV検査や感染者が正しい治療を受けるためのカウンセリングも重要になる。そうした環境を整えることで、2020年には母子感染の問題から子供たちを解放できる可能性が見えてくる。それが(RED)の目標である。そんなエイズフリー世代を実現できれば、2030年までにエイズの脅威を克服するという夢も現実味を帯びてくる。