説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『たくさんウィジェットを登録するとバッテリーの減りが速くなる?』という質問に答えます。

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iOS 8で機能強化された「ウィジェット」は、アプリが持つ機能により表示された情報をひと目で確認できます。iOS 10の現在では対応するサードパーティー製アプリも増え、画面を押し込むと現れるクイックアクションのメニューから簡単に登録できるようにもなりました。なにより、ロック解除することなくロック画面上で情報を確認できるようになった点は、情報にすばやくアクセスするという意味で重要な変化といえます。

iOSでいうところのウィジェットは、正確には「Today Extension」であり拡張機能の一種です。配布はアプリと一体で行われますが、本体とは別のプログラム(バイナリ)として独立動作します。ユーザが直接タップしてではなく、iOSのシステムから呼び出される形で起動されます。

ウィジェットは、iOS 10では高さ調整(表示を増やす/減らす)が可能になったほか、ロック画面にも表示できるようになりましたが、ソフトウェアキーボードを使用できない、定期的にスナップショットが作成され(アプリの更新)、次回画面が更新されるときに最新のものが表示される、など基本的な動作原理は大きく変更されていません。

ウィジェットを多数登録すると作成されるスナップショットの数が増えることになるため、消費電力が増えてバッテリーの減りにつながることは確かでしょう。特に天気予報やニュースなど通信を行うものについては、それなりの影響が予想されます。

とはいえ、ウィジェットは画面全体を高速に書き換えるわけではなく、秒単位でスナップショットを作成することもありません。画面全体を使うアプリと比べれば、バッテリーが減少するペースに与える影響は軽微です。

電力消費量とまったく無関係ではないものの、ウィジェットを多数登録してもバッテリーが減るペースに与える影響は軽微です