最後はエクステリアデザインについてだ。MacBookは、iPhoneとのカラーコーディネートを考え、シルバー、スペースグレー、ゴールド、ローズゴールドを取り揃えた。MacBook Proでは、シルバーとスペースグレーの2色のみが設定された。MacBook Airから比べると、スペースグレーが選択肢に増えた点は、自由度が高まったと言える。

スペースグレーのボディは、屋外では若干紫っぽい光を反射するところが印象的だった。しかし嫌らしくなく、シルバーほど主張せず、寡黙な信頼できる道具としてのたたずまいは、新鮮な魅力を放っており、惹かれる要素となっている。

MacBookでは1つしかなかったUSB-Cポートは追加され、より高速なThunderbolt 3ポートとなり、2つになった。前述の通り、上位モデルには4つ搭載されているが、電源とデータで2つでも十分に活用できるだろう。

本体左側にThunderbolt 3ポート2基。右側はヘッドホンの出力端子のみ

1点残念なのは、これは上位モデルでも共通だが、MacBook Air、MacBook Proの前モデルまで内蔵されていたSDXCカードスロットがなくなった点だ。しかも、SDカードを接続するために準備すべきアクセサリが増えた。Thunderbolt 3をUSBポートに変換し、さらにSDカードリーダーを接続しなければならないからだ。もっとも、iPhoneで撮影した写真はクラウドを介してMacに同期されるし、デジタルカメラにWi-Fi転送もある。ただ、筆者が今日の取材で500枚以上の写真を撮影した場合、やはり直接Macに読み込ませたいと考える。そこはサードパーティーからの良いアクセサリの登場に期待するしかなさそうだ。

61W USB-C電源アダプタと2mのUSB-C充電ケーブルが付属

MacBook ProのTouch Bar非搭載モデルは、高い性能の上位モデルと大きな差異がない基本性能を誇り、しかもMacBook Airとほぼ同じ重さでより薄く小さくなり、魅力的なディスプレイやキーボードを備えている。

Touch Barのような派手さはないが、実直できちんと動作してくれる、信頼できるマシンに仕上がっているという印象だ。iMacやMacBook Pro 15インチを据え置いて使う際のサブノートとしての活用も期待して良いだろう。

価格は決して安くないが、近年のノート型Macは周囲を見ても、3~4年を超えてトラブルフリーで利用している例が多く見受けられる。安心して長く「愛用」できるコンピュータと捉えると、価格面でも、より魅力的に見えてくる。

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura