iPhoneとケーブル1本でつながる
ひとつめのポイントは、接続がとても簡単なこと。実は、すべてのポタアンがiPhoneに直接つなげるわけではないのだ。
Lightningケーブルにアップル純正の「Lightning - USB変換アダプター」(カメラコネクションキット)を接続してケーブル2本でつながなければならない製品が多くあるし、そもそもこの方法はアップルが公式にサポートしていない裏技的な使い方である。
HA-2SEは、標準付属のLightning - USBケーブル1本で接続するだけ。ハイレゾを聴くためにはオンキヨーの「HF Player」など、ハイレゾ対応の音楽プレーヤーアプリが別途必要だが、iPhoneにプリインストールしている「ミュージック」アプリに保存した音楽や、Apple Musicなど音楽ストリーミングならば、特別な設定不要ですぐに聴き始められる。
音質が良くなる
iPhoneとの接続が完了したら、お待ちかね、今まで愛用してきたヘッドホン/イヤホンをアンプのイヤホン端子につなげる環境が帰ってくる。要するにiPhone 6sより以前の状態に戻るだけだし、これを"ベンリ"と評価するのは正確ではないかもしれないが、HA-2SEを介した音を聴いてみれば、クオリティの差は歴然。アンプをつなぐことの意義を実感するはずだ。HA-2SEは音質に定評のあるESSテクノロジー製の最新DACチップ「ES9028Q2M」を積み、内部のアンプ回路に見直しをかけたことで、前機種よりもキホンの音質が大きく向上している。
この音質向上こそ、2つ目のポイントだ。
難しい話は脇に置いて、iPhone 7 / 7 Plusに付属するLightning直結イヤホン「EarPods」をつないで聴いた音と、単純に比べてみてほしい。
アウトドアでは、iPhoneのボリュームを目一杯上げなければ聴きづらかったのが、HA-2SEを使うと十分な音量が得られる。アグレッシブなロック・ポップス系の音楽から鮮やかなビートが立ち上がり、ボーカルの細かな息づかいやビブラートにも自然とフォーカスがあたる。オーケストラは一段と雄大な情景が目の前に浮かんでくる。
モバイルバッテリーとして使える
そして、3つめのポイントは、音楽を聴きながらLightning端子につないだiPhoneを充電できるモバイルバッテリー機能が組み込まれていることだ。
モバイルバッテリー機能は、今ある多くのポタアンが搭載しているわけではないため、とりわけ差が付くポイントにもなる。使い方は非常に簡単で、HA-2SEにiPhoneを接続して、本体側面にあるパワーバンクボタンを長押しすると、iPhoneの画面にお馴染みのイナズマのアイコンが点灯して充電が始まる。
HA-2SEには約3,000mAhのバッテリーを内蔵しているので、iPhone 7 Plusもフル充電できるはずだ。アンプ本体の電源を入れず、シンプルにiPhoneの充電器として使うこともできる。
今回紹介したHA-2SEは、もちろんiPhone 7以外のLightning端子搭載デバイスと組み合わせて使うのもおすすめだ。また、ここでは詳しく触れなかったが、Andoridスマホの中にもHA-2SEに同梱するUSB OTGケーブルをつないで音楽再生を楽しめる製品がある。ポタアンを使えばスマホによる音楽再生環境がもっとスマートになるということを、HA-2SEはとてもわかりやすく実感させてくれるだろう。
■編集部注: 10月28日現在、HA-2SEと前モデル「HA-2」において、Apple製品との接続にLightningケーブルを使用した際、不具合が発生することがあると報告されています。詳しくはこちらをご参照ください。