Appleは27日(米国時間)に開催されたスペシャルイベントで、映像編集ソフト「Final Cut Pro X」の最新バージョンとなる、バージョン10.3を発表した。同日発表された新型MacBook Proに搭載された「Touch Bar」に対応する機能などが盛り込まれている。

Final Cut Pro X

インターフェースが改良され、自動カラーコーディング機能と、ロールに基づく新しいタイムラインの表示方を採用した「マグネティックタイムライン2」が登場。読み込んだクリップは「ロール」と呼ばれるカテゴリーごとに自動的に分類、色分けされる。タイムラインインデックスでロールをドラッグすることで、瞬時にロールを並び替えたり、ワンクリックで特定のロールにすばやくジャンプできるようになる。レーンでオーディオクリップを整理し、複雑なプロジェクトを管理することも可能。

よく使う編集ツールは、新型MacBook Proに搭載されたTouch Bar上に表示する。現在の作業に最も役立つ機能が自動的に現れ、タイムラインをワンタッチで操作することも行える。編集ツールの切り替え、オーディオのレベル調整、トリミングや再生といったことが可能だ。

また、Rec. 2020色空間にも対応し、広色域の映像を扱うことができるほか、メインのビューアでのソースタイムコードの表示、フォトライブラリ、タイトル、ジェネレータといったメディアとコンテンツを利用するための大きなブラウザでの表示、隣接する接続クリップ上のロールトリム、複合クリップ/マルチカムクリップ/同期したクリップ/オーディションのタイムラインインデックスからの詳細な検索、フルスクリーンの高さまで展開できるインペクタ、カメラを使ったインタビューの収録時に一時停止やミスによって生じたジャンプカットを埋める「フロートランジション」、瞬時のエフェクトとパラメータ削除、ブラウザ内でのクリップの連続再生、タイムコードのコピー&ペースト、SMB 3からのネットワーク接続されたストレージ上へのライブラリ保存、XML 1.6のサポート、などが盛り込まれ、さらに多くのプロ用フォーマットに対応する。価格は34,800円(税別)だが、30日間の体験が可能なフリートライアル版も用意されている。

あわせて、モーショングラフィック作成ソフト「Motion」がバージョン5.3へ、ビデオ/オーディオのエンコーディングツール「Compressor」がバージョン4.3へとアップデート。

Motionでも広色域の映像を扱えるようになり、3D textが強化されたほか、、アニメーション化された2つのオブジェクトの位置を瞬時に接合する「揃える」ビヘイビア、Touch Barへの対応といった機能が追加されている。価格は6,000円(税別)。

Compressorでは、Final Cut Pro XとMotionにあわせた暗色のユーザーインターフェースが採用され、作成したバッチやiTunes Storeパッケージがスクリーンのメインになるようになった。幅広いフォーマットの広色域ビデオの変換が簡単に実行できる。もちろん、Touch Barにも対応し、バッチを一目でチェックすることや、再生ヘッドをドラッグしながらの操作などが行える。価格は6,000円(税別)。

対応OSは、いずれもOS X 10.11.4 以降。