JR東日本は25日、Apple Payの国内サービスインに合わせ、Suicaの対応を発表した。

日本向けに販売されているiPhone 7/7 Plusでは、日本で主流の電子決済サービス「おサイフケータイ」が利用できるFelicaチップを内蔵している。FelicaはSuicaなどの交通系ICカードにも利用されており、日本ではSuicaをはじめとした電子決済サービスへの対応が、iPhone 7/7 Plusの大きな特徴のひとつになっていた。

JR東日本の発表によると、25日からApple PayでSuicaが利用可能になった。具体的には、手持ちのSuicaカードをiPhone 7のApple Payに取り込んで利用できる。また、交通系ICカードと同じように、全国の対応鉄道、バス、店舗などで、Suicaとして決済サービスが利用できる。

実際のSuicaカードを所持していなくとも、iOS向けの「Suica」アプリで会員登録することで、iPhone 7のApple Payで定期やSuicaグリーン券、特急券を購入したり、利用したりできる。JR東日本グループのクレジットカード「ビューカード」を「Suica」アプリに登録すると、オートチャージも使用可能。「Suica」アプリはApp Storeから無料でダウンロードできる。

なお、手持ちのSuicaカードでも、iPhone 7に取り込めないものもある。ビュー・スイカなど、クレジットカード一体型Suica、小児用のMy Suica、ゆうちょなどのキャッシュカード一体型Suica、社員証や学生証と一体型のSuica、高校生以下の通学用Suica定期券、JR東以外で発売されたSuicaやICカード(PASMOやICOCAなど)だ。このほか、SF(電子マネー)の残額が19,501円以上のSuicaカードも取り込めない。

また、Apple Payで利用できないSuicaサービスとしては、EX-IC(JR東海の指定席予約サービス)、ネット決済(ネットショッピングの支払い)、銀行チャージ(銀行口座からの入金)、キャリア決済チャージ(携帯電話会社のっキャリア決済サービスによる入金)などがある。

Suicaカードの取り込み手順は、iPhone 7のWallet起動後、Apple Payエリアの+マークを押すことでiPhone 7に表示される。取り込み対象の情報はSFの残額、デポジット(SFに500円加算)、定期券情報、バス定期券・バスポイントのみ。これ以外の情報は取り込まれず、オートチャージ設定も引き継がれない。複数枚のSuicaの取り込みも可能で、各Suicaに名前をつけて管理できる。

JR東日本では、専用サイトで詳しい取り込み手順やQ&Aを案内している。なお、25日13時現在はモバイルSuicaおよびApple PayでのSuicaサービスにアクセスが集中しており、つながりにくい状態になっているという。