ボットの重要性はますます高まる

最近の技術トレンドとしては、チャットボットのバックグラウンドに人工知能を使い、チャットボットによるサポート窓口運用などがあるが、LINEではこうした技術トレンドとは直接関係のない、地道なインフラ部分としてのMessaging APIを公開している。とはいえ、これは決して悪いことではなく、必要な応答さえできるなら、顧客にとってはボットが単純なパターン認識のプログラムでも、人工知能でも大差がないのだ。もちろん人工知能でより人間らしい対応ができるならいうことはないが、そこはサードパーティによる差別化の余地ということなのだろう。

顧客としては素早く快適に目的のサービスに到達するのが重要であり、そのための体験がリッチであれば、裏にある技術はなんでもいいわけだ。今回のLINE Messaging APIは外部サイトとの連携やIFTTTとの連携、Githubやmackerelへの対応、リッチなUIの提供、ビーコンとの連携など、土台となる部分を無理なく拡張することで、開発者にも顧客にも快適な環境を用意している。

今後、ビジネスの消費の中心となる世代は、デジタルネイティブでスマートフォンやSNSの利用が当たり前になってくる。こうした層に向けてよりリッチで快適なコミュニケーション手段を準備しておくのは、もはや経営上当然の施策といえそうだ。固定電話やFAXが役割を終えることはまだまだないだろうが、これらと並行してボットを準備しておくのが、今後のスタンダードということになりそうだ。