ダイソンは9月27日、空気清浄機能付きファンヒーター「Dyson Pure Hot + Cool Link」を発表し、都内で製品発表会を開催した。

Dyson Pure Hot + Cool Link。カラーはホワイト/シルバーとアイアン/ブルーの2色で、推定市場価格は税別72,800円前後

Dyson Pure Hot + Cool Linkは、空気清浄機能付きの扇風機兼用ファンヒーター。2015年10月に発売された「Dyson Pure Hot + Cool」の後継機にあたり、Wi-Fi経由でスマートフォンと接続し、アプリ上で部屋の空気の状況などをモニタリングできる機能を新搭載した。2016年4月に発売した「Dyson Pure Cool Link」を、ファンヒーター機能付き製品として展開させたとも言える。

新製品のカットモデル。本体下部の穴から吸い込んだ空気が中央部のモーターとインペラーで強力に巻き上げ、「Air Multiplierテクノロジー」と呼ばれる独自の機構で風を増幅させて、羽根がなくても遠くまで風を送る

Dyson Pure Hot + Cool Linkの分解図

サイズは従来機種と同じW222×D222×H632mm。重量は3.79kgから3.91kgとわずかに増加した。暖房時の適用床面積(断熱材あり/なし)は、コンクリート住宅で8畳/4.5畳、木造住宅で6畳/3畳、8畳を清浄する時間の目安は30分といずれも据え置いている。

空気清浄のフィルターは、PM0.1レベルの超微小粒子状物質を約99.95%捕らえられる能力を持つ「Dyson 360°グラスHEPAフィルター」を継続採用。消費電力は涼風モードで最小5.4W、最大が26Wから40Wとなり、温風モードが1,200Wと同じだ。

新たに2つのモードを搭載。内蔵センサーで空気中の汚染物質を検知し自動で風量をコントロールする「オートモード」と、風量が4以下になるように制御しつつ、LEDディスプレイの表示を暗くする「ナイトモード」で、いずれも今春発売の「Dyson Pure Cool Link」で搭載された機能を持ち込んだかたちだ。

付属のリモコン。新たに「オートモード」と「ナイトモード」が追加されている

【動画】広範囲に風を届ける「ワイドモード」の動き

【動画】強力な風を直進的に遠くまで届ける「フォーカスモード」の動き

Dyson Linkアプリ。本体に内蔵されたセンサーで検知した情報から空気の汚染状況をモニタリング

空気清浄機を稼動させるスケジュールも設定可能

アプリは本体を操作するリモコンとしても機能。温風モードの際には温度設定もできる

フィルターは外側のカバーごとスライドさせて簡単に取り外せる。「Dyson 360°グラスHEPAフィルター」と呼ばれるフィルターは内側はニオイを吸着する活性炭が敷き詰められ、外側はマイクログラスファイバーがプリーツ状に折り畳まれている

Dyson 360°グラスHEPAフィルターの解説図

Dyson 360°グラスHEPAフィルターのマイクログラスファイバーは広げると約6メートルほどの長さになる

【動画】スモークを吸い込むデモ

新製品発表会では、フリーアナウンサーの政井マヤさんが司会を務め、「室内環境について」をテーマにしたトークセッションも行われた。二児の母でもある政井さんが「気管支が弱い子どもたちのためにふだんからハウスダストは気にしているが、空気の質についてはあまり考えたことがなかった」と語ったのに対し、カビやハウスダストの研究で知られるエフシージー総合研究所の川上裕司氏は「カビが原因で起こる過敏性肺炎が増えている。カビと言うと高温多湿を好むと思われがちだが、高断熱高気密の最近の住宅事情では年中問わず生息しやすい。浴室などの水まわりだけでなく、リビングと寝室も要注意」と喚起した。

また、医師で医療ジャーナリストの森田豊氏は、「過敏性肺炎は家から離れると症状が軽くなり、戻ると再発するケースが見られる場合が多い。有効な対策は環境を変えること」と、カビやハウスダストの原因となる浮遊物質を取り除くための、日常的な掃除を推奨した。

フリーアナウンサーの政井マヤさんを司会に、医師で医療ジャーナリストの森田豊氏とエフシージー総合研究所の川上裕司氏を招いて行われたトークセッション

目に見えるカビの例

盲点なのが古本のカビ。紙の上に見られるこうしたシミの小体は「アスペルギルス レストリクタス」という種類のカビであることが多く、古本でよく見られる小さな虫はこうしたカビを好んで食べているとのことだ

カビが原因と思われる肺炎患者のレントゲン写真。カビを吸い込んだことが原因で炎症を起こした部分が白く写っている