説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iOS 10に更新してからバッテリーの減りが速くなったような……』という質問に答えます。
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iOS 10にアップグレードして以降バッテリーの減りが速くなったと感じる場合、画面表示の設定を見直してみましょう。ひょっとすると、iOS 10で追加された「手前に傾けてスリープ解除」というスイッチが意図しない動作を招いているのかもしれません。このスイッチは、iPhone 6s / 6s PlusとiPhone SE、iPhone 7 / 7 Plusにのみ表示されます。
「手前に傾けてスリープ解除」スイッチをオンにしておくと、iPhoneの傾きを変えたときに画面が自動点灯します。iPhoneが持ち上げられたと内蔵センサーが判断したときに動作し、通知の有無を迅速にチェックできるなどの利点があります。
その内蔵センサーが「持ち上げられた」と判定する基準は、iPhoneの傾きの変化にあります。ホームボタンより上部のほうが高い状態、言い換えれば水平に近い状態からわずかに角度を付けただけで、瞬時に画面が点灯します。iPhoneを手に取り画面を見たときには、未チェックの通知があるかどうかわかるしくみです。
ただし、iPhoneをポケットへ挿しているときなど、垂直に近い状態から水平方向に傾きが変化しても画面は点灯しません。机の上にiPhoneを垂直に置き、倒すように水平方向に置いたとしても、画面は暗いままです。内蔵センサーは、起こす・持ち上げる動作で発生する傾きの変化をチェックしているのです。
ということは、iPhoneをバッグの底のほうへ水平に置いていると、移動中にスリープ解除が多発する可能性が出てきます。傾きの変化で点灯した画面は、操作しないかぎり3秒ほどで消灯されるため、電力消費量を大きく増やすことはありませんが、バッグのなかで点灯するのはムダですし気味が悪く感じられるかもしれません。この機能をそれほど便利に感じない場合には、スイッチをオフにするのも一考でしょう。