BS朝日の番組「The Photographers」は写真家たちの生き様を追いかけたドキュメント番組。第三弾である「The Photographers 3」が9月23日(金)、9月30日(金)に放送されるにあたり、先行試写会が開催されたので、その概要とあらすじをお伝えしよう。

「The Photographers 3」の放送日時は、「遺したい日本編」が9月23日(金)19:00~20:54、「写真と生きる編」が9月30日(金)19:00~20:54の予定。登場する写真家は、「遺したい日本編」が公文健太郎氏、福田健太郎氏、西澤丞氏、石橋睦美氏、「写真と生きる編」が中西敏貴氏、八木千賀子氏、江口愼一氏、中村征夫氏。番組の提供はキヤノン。8人の写真家が、最新の一眼レフカメラ「EOS 5D Mark IV」を使って撮影した作品も見ることができる。

公文健太郎×農業

公文健太郎氏は、雑誌や書籍、広告で活躍する新進気鋭の写真家。農業に魅了され、日本各地を精力的に飛び回る。美しい里山の姿、豊かな作物、自然と対峙する農家の人々を撮り続ける中で「日本の風景は農業の風景」と語る。

高校生まではテニスに没頭していたが、ある国の風景に出会うことで写真家の道を志すようになる。番組内においては、体中泥まみれ、ときには漆で体がかぶれながらも、密接な距離で被写体に真剣に向き合う姿に感動を覚えることだろう。

福田健太郎×桜

福田健太郎氏は、列島を縦断して日本全国の桜を撮影してまわったことのある風景写真家。常に変化する自然の美しさを写真で提示したいと考え、撮影中はもとより、移動中でも常にアンテナを張り続ける。

知床半島に季節外れの6月に咲く桜があると聞きつけて向かうが、目的を決めないのが本来の撮影スタイル。ロケ地においてもいかんなく発揮された。専門学校を卒業後、風景写真家の大御所である竹内敏信氏の事務所にアシスタントとして入所するが、そこは20倍の難関。今になって当時の先輩から採用のエピソードが明かされる。

西澤丞×製造業の現場

誰もが立ち入れないその先を写し撮ることを生きがいとする西澤丞氏。製鉄所やロケット打ち上げ、研究施設など、スケール感のある現場をユニークなアイデアと視点で切り取った写真は圧巻の一言。写真だけでなく、細かな解説も入った写真集の出来は素晴らしく、ファンも多い。

元々は自動車メーカーのデザイン室に勤務していた同氏。その後は撮影プロダクションを経て写真家となるが、今後の在り方に迷った時期もある。そんな時、知人から依頼されたある仕事がきっかけで現場の撮影をライフワークとしていくことを決心する。番組内では、同氏の自宅兼スタジオが紹介されるが、設計から完成までハンドメイドで組み立てたオリジナル家具も登場。デザイナーとしての一面もうかがえる必見のシーンだ。

石橋睦美×物語の中の風景

10代後半から日本の自然を知る目的で各地を歩いてきた石橋睦美氏。撮影歴は50年におよぶベテランの風景写真家だ。現在は、民話で描かれた場所や歴史上の人物の足跡を追った情景豊かな作品や日本画的な森林風景を撮り続けている。

若い頃から「とにかく山に登りたかった」という同氏が見つけた職業がカメラマンだったわけだが、写真に対しては常に真摯に向き合う。番組内では西行法師が訪れたとされる「西行戻しの松公園」において、夕方に撮影するもイメージと合わず、翌朝4時に再度訪れてリベンジするといったシーンも収録されていた。神社仏閣の風景とそぐわない看板に立腹する姿にも、同氏の美しく情緒ある自然を愛する心が垣間見える。

「映像そのものの力、写真家の生き様を見てほしい」と語る、番組プロデューサーの江野氏(右)、キヤノンマーケティングジャパン イメージコミュニケーション企画本部の小林氏(左)