キヤノン「EOS 5D Mark IV」は35mmフルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラだ。プロやハイアマチュアに愛用者の多い「EOS 5D」シリーズの最新作であり、2012年に発売された「EOS 5D Mark III」の後継機にあたる。発売は9月8日。価格はオープン。今回は、試作機によるファーストインプレッションをお伝えする。

キヤノン「EOS 5D Mark IV」。同社オンラインショップでの価格は、ボディ単体が432,500円、「EF24-70 F4L IS USM レンズキット」が547,500円、「EF24-70 F2.8L II USM レンズキット」が617,500円、10月下旬発売予定の「EF24-105L IS II USM レンズキット」が557,500円となっている (すべて税別)

防塵防滴性能を強化したマグネシウム合金ボディ

まずは既存モデル「EOS 5D Mark III」と見比べながら、「EOS 5D Mark IV」の外観をチェックしていこう。

ボディはこれまでと同じくマグネシウム合金製の高品位な作りだ。外形寸法は幅150.7×高さ116.4×奥行き75.9mm。EOS 5D Mark IIIに比べると幅と奥行きはわずかに縮小したが、見た目の印象は大きく変わらない。バッテリーとカードを含む重さは約890gとなり、60gほど軽量化された。

細部をじっくり見ると、さまざまな変更点に気づく。例えば、前面下部にあった「Mark XX」のロゴは前面上部へと移動し、かつてのロゴの位置にはリモコン端子が配置された。側面の端子類はレイアウトを変更したうえで、端子カバーが細分化。USB端子はUSB 3.0対応となった。ペンタプリズム部の膨らみはいっそう丸みを帯び、グリップの右手人差し指があたる部分もより滑らかに。その一方で、天面から前面にかけてのラインはエッジが強くなっている。

左は既存モデル「EOS 5D Mark III」に既存レンズ「EF24-105mm F4L IS USM」を装着。右は最新モデル「EOS 5D Mark IV」に最新レンズ「EF24-105mm F4L IS II USM」を装着した状態

上・前・後カバーに加えて、ボトムカバーにマグネシウム合金を採用し、いっそうの高剛性を実現。またシーリング部材を増やすなどして、防塵・防滴性能も強化している

背面の基本レイアウトは踏襲。左下にあった外光センサーとスピーカーが右寄りの位置に移動したり、サムグリップ部の膨らみが大きくなるなど細かい改良が加えられている

ボディの高さは変わらず、幅は1.3mm、奥行きは0.5mmそれぞれ縮小した。天面のモノクロパネルは、多機能化に応じて表示項目が増加。記録画質の表示はなくなった

マルチコントローラーの斜め下に「測距エリア選択ボタン」が新設された。それにともなって、サブ電子ダイヤルは直径が約1mm小さくなった。側面にはNFC接続用のNマークが

トップカバー部分は、EOS 5D Mark IIIでは天面からペンタプリズム部にかけてが1つの部材で構成されていたが、EOS 5D Mark IVではメーカーロゴから上の部分が分離し、つなぎ目の線が見えるようになった。内部にはGPSおよびWi-Fiのモジュールが組み込まれている

EOS 5D Mark IIIでは側面にあったリモコン端子は前面の下部に移動した。ペンタプリズム部やボディ天面の形状、内蔵マイク、製品ロゴの位置なども変更されている。引き続きストロボは非搭載だ

付属するケーブルプロテクターを装着した状態。不用意に抜けたり、端子が破損するのを防ぐ

記録メディアは、既存モデルと同じくCFカード (Type I準拠、UDMAモード7対応) と、SD/SDHC/SDXCカード (UHS-I対応) のダブルスロット。CFastカードやUHS-II対応は見送られた