BeatsXとPowerbeats3 Wireless、Beats Solo3 Wirelessの3製品が発表された

iPhoneのプレゼンの中では、Beatsの新製品も発表された。イヤホンの「BeatsX」と、ベストセラー製品の次世代モデルとなる「Powerbeats3 Wireless」イヤホンと「Beats Solo3 Wireless」ヘッドホンの3製品。全てのモデルで前述のApple W1チップおよび、Class 1 Bluetooth、Fast Fuel(急速充電)機能が搭載されている。価格はBeatsXが14,800円(ブラック/ホワイト)、Powerbeats3 Wirelessが19,800円(ホワイト/イエロー/ブルー/ブラック/レッド)、Beats Solo3 Wirelessが29,800円(グロスブラック/グロスホワイト/シルバー/ゴールド/ローズゴールド/ブラック)。Beats Solo3 Wirelessは既に販売が始まっているが、BeatsXとPowerbeats3 Wirelessはこの秋登場とのことだ。

Everyone Can CodeがSwift Playgroundsでのスローガン

採用校の中に山梨英和中学校・高等学校が

今回のイベントで、実は一番重要なのがこれ、「教育」。現在のアメリカ大統領バラク・オバマは、幼稚園から高校までの公立学校に通う、人種的マイノリティを中心とした低所得家庭の生徒がインターネットや教育ツールにアクセスできるように支援する"ConnectED"プログラムを推進しているが、この活動にはAppleも参加している。ワールドワイドアプリマーケティング担当バイスプレジデントのスーザン・プレスコット氏のプレゼンテーションでは、活動の一環として、iPadを使ってゲーム感覚でSwiftの基本やプログラミングのコンセプトを学習できる「Swift Playgrounds」とリアルタイムコラボレーション機能を搭載した新しい「iWork」が紹介された。Swift Playgroundsについては、これまで拙稿で何度も取り上げてきたので、省略させて頂くが採用校の中に山梨英和中学校・高等学校が入っていたのを筆者は見逃さなかった。

iWorkの新機能「リアルタイムコラボレーション」

興味深かいのはiWorkの新機能。ネットワーク上でメンバーがアクセスして、データを改修していくというデモはAppleの100%子会社でもある、ファイルメーカーでもよく見かけたが、こういったアイディアは教育の現場でも有効なはずだ。おそらく、そこらのITジャーナリストは「ビジネスシーンでの生産性向上にも寄与するだろう」といった惹句を並べるだろうが、「アクティブ・ラーニング」というキャッチフレーズとともに、異なる業界の異なる文脈から理解されるべき機能なのではなかろうか。

「マリオ」がiPhoneにやってきた

最後となったが、最初にアナウンスされて大歓声が沸き上がった「事件」がこれ(一番始めが盛り上がって、その後がサッパリというわけではない。イーグルスが1曲目に「ホテル・カリフォルニア」を演奏して、その後、何をやっても盛り上がらなかった東京ドーム公演とは違うのだ)、「マリオ」の登場だ。先述の「Pokemon Go」でもそうだったのだが、何でこんなに皆、アガれちゃうワケ? と呆気にとられたのは、恐らく日本から来てるプレス関係者では筆者だけだろう。中には「歓喜に溢れる声が日本から聴こえてくる」という人もいたくらいだったし(あのでも、決して、シラけてた訳ではなく、単に「分からない」ってだけなので)。

興奮の渦に包まれる中、任天堂の代表取締役・宮本茂氏がステージへ。挨拶は英語だったが、その後は日本語で。だが、ここで、通訳の方の声のほうが宮本氏より遥かにデカいという不測の事態が。そりゃそうだ、英語圏で開催されているイベントなんだし。それにしてもヤバい、もともと知識ないところに何言ってんのかさっぱり分からない、今回の取材、最初で躓いてしまったと独り言ちたのだが、映像見てたらとりあえず理解できた。YouTubeでゲームのプレイ映像の再生回数が凄いという話は時折耳にするが、ははあ、こういうことなのだなと、得心がいった。つまりポピュラリティを獲得するのはこういうことなのかもと。マリオとピカチュウはイエス・キリストより有名なビートルズよりももっと有名なのではなかろうか。

「スーパーマリオ・ラン」はリンゴを齧りながらでも遊べるそうで、ながらプレイに向いているようだ。配信はクリスマスに向けてということで、リリースはまず、有償でとアナウンスされた。

スペシャルイベントは「事件」に溢れていた。筆者は、日本ではキャリアの実質0円プランがなくなるから、展開苦しくなるんじゃないかなと予想しており、このタイミングで「iPhone Upgrade Program」も上陸するのではと考えていた。上陸の予想は外れたが、展開が苦しくなるかもという予想も外れそうだ。会場の外では、Project Araの頓挫と「Galaxy Note 7」のリコールという別な「事件」が起こっており、これがAppleには追い風となるのかもとも思ったが、Appleは、向かい風だろうが追い風だろうが、強く突き進める力のあるプロダクトとサービスがある限りは、置かれた状況、あまり関係ないのかもな、とも。答え合わせをした時、それがきっと正解となっているのだろう。