説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「次のiPhone」の性能はどこを見ればわかる?』という質問に答えます。
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iPhoneを通信端末として見るか、小さなコンピュータとして見るか、カメラや指紋認証など多数の機能からなる複合機として見るかで違ってきますが、CPU性能はひとつの基準となることでしょう。
Appleでは、iPhoneの頭脳として自社設計のPoP(パッケージ・オン・パッケージ)をiPhone 4以降採用しています。その名称はiPhone 4が「A4」、次のiPhone 4Sが「A5」、その次のiPhone 5が「A6」……と連番で、最新モデルのiPhone 6s/6s Plus/SEには「A9」が採用されています。その命名パターンに従えば、次のiPhoneには「A10」が搭載されることでしょう。
PoPは複層構造のチップであり、性能について言及されるときはその構成要素であるCPUやGPU、メモリなど個別の部品が対象になります。iPhone 6s/6s Plusからどれほど進化したかという意味から、A10(仮)はA9と比較対象のうえ性能が語られるに違いありません。
ポイントの1つは、プロセッサー(CPU)のクロック数がどれほどアップしたか、コア数が増えたか(A9は2基/デュアルコア)というCPU性能です。細かいスペックはともかく、A9と比べ処理性能が○○%アップ、といった表現により性能向上を確認できます。描画用プロセッサー(GPU)も同様で、クロック数とコア数を基準にすれば、A9との性能差がおよそわかります。
メモリ(RAM)の容量もポイントです。アプリに求められる機能が増えたことから、メモリ容量は大きいほうが有利です。カメラの多画素化が進む可能性をあわせれば、メモリ容量拡大は重要な意味を持ちます。
ほかにも、モーションセンサーや指紋認証センサーなどセンサーICの性能向上や、ディスプレイの解像度や色域など表現力の強化、ストレージ容量増大など、性能として数値で現れる項目は多数あります。いつも持ち歩くデバイスですから、サイズと重量、カラーバリエーションも見逃せません。結局は、iPhoneに何を求めているかで見るべきポイントは変わるのでしょう。