ヨーロッパのスポーツ専門のライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」が23日、日本でサービスを開始した。競技数は130以上、利用料金は月額1,750円(税抜)となる。すでにApp StoreやGoogle Playでアプリが配信されている。
配信されるスポーツのラインナップは、サッカー、野球、バレーボール、格闘技、バスケットボール、テニス、モータースポーツ、アメリカンフットボール、ダーツ、ビリヤード、卓球、ボウリング、フィッシングと幅広い。来年からはJリーグも加わるという。
スポーツ好きにはたまらないサービスだが、気になるのは画質やアプリの操作性といった使い勝手の部分だ。実際にサービスを使ってみることにした。
最初の1カ月は無料
DAZNは月額1,750円の有料サービスだが、アプリは無料でダウンロードできる。今回はiPad ProとiPhoneにアプリをインストールした。ひとつのアカウントにはデバイスを6台まで登録でき、同時に2台から視聴できる。
ただし、アプリからはアカウント登録ができない。アカウント登録は公式ウェブサイトから行う。メールアドレスとパスワード、名前とクレジットカード情報を入力すると登録完了。
クレジットカードを登録しても、最初の1カ月は無料で使える。ただし、無料期間が過ぎるとクレジットカードから利用料金が支払われ、自動延長されるので注意が必要だ。
アカウントの登録が終わったらアプリを起動し、登録したメールアドレスとパスワードでログインする。
こちらがアプリのトップページ。画面はシンプルで、左上のロゴはトップページへのリンク。中央のメニューからは「ヘルプ」と「サインアウト」。右上は検索窓となっている。
番組のサムネイルは縦が「おすすめ」や「人気のコンテンツ」「スポーツ一覧」といったカテゴリ。横にスライドすると配信ラインナップを見ることができる。
リアルタイムでの視聴に加えて、見逃した配信についても後から視聴することができるのは嬉しい。
最初はボヤボヤ画質
さっそく見てみよう。
「スポーツ一覧」からサッカーをタップし、見たい試合を選ぶ。サッカーの場合、ブンデスリーガの1部、2部、セリエAなど有名なリーグのほか、わりとマイナーな世界中のリーグも用意されていてなかなか充実している。
また、試合以外にも「特集」としてハイライト集やチームのプロモーションムービーなどが配信されているようだ。
過去に配信された試合を「見逃し配信」で選択。
再生が開始された。画面は全画面モードにすることもできる。
配信画質はフルHDということだったので、十分に綺麗な画質だろう……と思ったら、再生してから数十秒はボヤッとした画面が続いた。どう考えてもフルHDではないぞ、と不安になっているうちにだんだんと映像がくっきりしていく。そして、スタートから1分後くらいにはかなり綺麗になった。回線速度には問題ないはずなので、そういう仕様なのだろう。
これは完全に憶測だが、フルHDを読み込もうとすると多少時間がかかってしまうため、最初の数十秒だけは低品質な映像で再生し、裏で読み込ませることで映像が途切れるのを防いでいるのかもしれない。
似たところだと、Netflixがやはり4Kの映像を再生するのに同じ方式を採用している(ただし単純に回線速度の問題という可能性もあるので断定はできない)。
ということで、冒頭の画質で「あれっ」と思っても心配は無用だ。
シークバーの操作も可能
再生画面ではタップすることで配信の概要が表示される。その間も配信は一時停止にはならない。いちいち止まるとストレスなので、これで正解だ。
再生中はシークバーの操作ができるほか、30秒だけ巻き戻すボタンもある。「今のプレイだけもう1回見たい!」と思ったらポチッとしてやればいいわけだ。自分でシークバーを操作してもいいが、正確に戻せないとイラッとするので、これはナイスな機能である。
その後は特に映像が乱れることもなく、十分なクオリティで視聴することができた。もちろん回線速度に影響される部分もあるだろうけれど、基本的には安定している。
長く再生しているとデバイスの発熱なども気になるところだが、小一時間ほど再生した限りではiPad Pro、iPhone6 Plus共に熱くなることはなかった。iPhone6 Plusがほんの少し温かくなるかな、くらいだが、それならゲームの方がよほど熱くなる。最近の機種であればまず問題ないだろう。
シンプルすぎるUIに手こずる
それよりも少し気になったのはシンプルすぎるアプリの使い勝手。一つ前に戻る操作がなく、いちいちトップに飛ぶ必要があったり、サムネイルがずらりと並んだ画面からでは試合の概要がわからなかったりと、まだこなれていない感は受ける。ここは今後、改善されてほしい点だ。
また、あらゆるスポーツが見られるのは嬉しいが、一方で「サッカーしか見ない」や「野球しか見ない」という人も多いので、視聴できる競技を限定する代わりに少し安価なプランがあってもいいかもしれないと感じた。
ともあれ、画質やコンテンツ数などのコアな部分については不満がなく、スポーツ好きのニーズを満たすサービスであることは間違いない。2020年の東京五輪に向けて、スポーツをさらに盛り上げてくれることを期待したい。