オートデスクは8月2日、米スミソニアン博物館が所蔵しているアポロ11号司令船「コロンビア」の高解像度3Dスキャンデータおよび3Dモデルデータの作成に協力したと発表した。

3Dデータの作成では、司令船の表面に使用されている反射材が原因で、市販されている3Dスキャナでは正確な読み込みを行うことができなかったため、市販の3Dスキャナを改造した独自機材を使用。また、複数箇所でスキャンしたデータを1つのモデルに統合するためのアルゴリズムと膨大なデータを処理するためのソフトウェアを開発した。その結果、データ容量は圧縮して1テラバイト以上の詳細なマスタモデルを完成させることができた。

同マスタモデルをもとに、スミソニアン博物館のキュレーターが司令船の3Dデータを解説付きで公開。3DデータをWebブラウザで見たり、ファイルをダウンロードして3Dプリントすることができる。

また、今回のスキャニングでこれまで把握されていなかった「宇宙飛行士の落書き」が数点発見された。内容は宇宙管制センターから入手した数値や情報を壁や機器パネルに書き留めたものや、手描きのカレンダーもあり、着陸日を除く全ての日に×印が付けられていた。これらの落書きは3Dモデルで見ることが可能だ。

司令塔の外側

レーザースキャナーでデジタル化している様子

宇宙飛行士手書きのカレンダー

司令船正面

司令船ハッチ内部

司令船の3Dプリントモデル