トルコで起きたクーデターによって、登録の審議が危ぶまれた「ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献」が、無事登録された。大陸を横断しての初めての世界遺産となるがゆえの課題は。

国立西洋美術館が世界文化遺産に登録

ユネスコの世界遺産委員会は17日、日本を含む7カ国で世界文化遺産に共同推薦(フランス枠で推薦)している「ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献」について「記載」との決議を委員国すべての支持で決めた。足掛け10年、3度目の挑戦でつかんだ登録。日本においては唯一ル・コルビュジエが設計した東京上野の「国立西洋美術館本館が世界遺産になった。

文化庁HPより

 大陸をまたいだ連携の課題

登録されればそれで終わりということはないのが世界遺産。世界遺産の価値をどう維持するかということは、今まで登録された遺産すべて持ちつづける課題だが、この遺産については、フランス・日本・ドイツ・スイス・ベルギー・インドの3大陸7カ国、17資産で1つの世界遺産となるのだから、国境をまたいだ連携は欠かせない。遺産全体の価値をどうやって説明するのか、保存はどのようにしていくのかなどといったことを共有し、意識をあわせていかなくてはならない。