Rakuten.FMを広告収入だけで収益化するのが理想だろうが、日本では前例のない取り組みであるため、成功の確率は未知数というほかない。海外のネットラジオは、リスナーの属性に合わせたコマーシャルを配信できる「ターゲティング広告」の技術を活用しているが、日本では同技術に取り組む企業が出始めたばかり。この技術を使う予定があるかどうか楽天に問い合わせてみたが、回答は得られなかった。

ネットラジオが楽天の玄関に?

ネットラジオの配信プラットフォーマーになろうとする楽天は、同社の他の事業とネットラジオを結びつけるような将来像を思い描いていないのだろうか。楽天が手掛ける幅広いビジネスのなかには、ネットラジオと親和性の高そうなものも存在する。例えば音楽を流しているネットラジオと「楽天チケット」を連携させることができれば、Rakuten.FMを聴いて興味を持ったアーティストのライブに足を運ぶリスナーを獲得できそうだ。CDやDVDなどの販売につなげることも可能だろう。

広告による収益化をうたうネットラジオ配信プラットフォームは日本で初めての試みかもしれない

ネットラジオ配信プラットフォーマーとして広告収入で稼ぐ方法と、同サービスを玄関口としてCD・DVDの販売・レンタルやチケット販売などに結び付ける方法。Rakuten.FMでは2通りのビジネスモデルが考えられる。楽天の広報は「本サービスは、広告ビジネスです」と明確に答えているが、同サービスに大勢のリスナーが集まれば、広告以外にも収益化の道が開けることは間違いない。まずは楽天が広告収入による収益化に成功できるかどうかに注目したいが、将来的なビジネスの広がりにも目を配っておく必要があるだろう。