成長するミラーレス市場でシェアを拡大するXシリーズ

富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長 高橋通氏は、現在のデジタルカメラ市場におけるミラーレス機のポジショニングについて、次のように語った。

高橋氏「デジタルカメラの市場規模が低迷を続ける中、レンズ一体型カメラとSLR(一眼レフ)はやはり縮小傾向にあります。一方、ミラーレス機の市場に占める割合は上昇中で、この傾向は今後も続く見込み。平成28年には、30%ほどになるのではないかと予想されます」

富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長 高橋通氏

デジタルカメラ市場が低迷する中、ミラーレス市場は続伸中

高橋氏によれば、ミラーレス機の販売単価は一眼レフに比べて15%も高いという。これはユーザーが、重くて大きな装備になりがちな一眼レフより、コンパクトで性能向上も著しいミラーレス機に価値を見出している証左であると富士フイルムでは考えている。

高橋氏「本来カメラは気持ちよく写真を撮るための"道具"であり、写真を撮ることを重荷や負担にしてはいけません。だからこそ、ユーザーのみなさんにXシリーズを選んでいただけているのではないでしょうか」

それを証明するかのように、Xシリーズも急成長を続けている。富士フイルムの統計によれば、平成28年にはミラーレス市場でシェア20%を見込んでおり、これは「X100」を発売した5年前に比べて3倍に相当する。

Xシリーズの平均成長率は、なんと50%!

ミラーレス市場においても、Xシリーズのシェアは20%に迫る勢い

高橋氏「コンパクトカメラ分野をいち早く縮小し、高級路線にシフトした効果で、(富士フイルムの)デジタルカメラ事業は利益を出せるようになっている。これが新しい技術、新しいサービスへの投資を可能にして、お客様によりよい製品を提供できるという好循環を生んでいます」

「X-T1は世界的なヒット商品となり、多くのアワードを受賞しました」(高橋氏)

X-T2(左)とX-Pro2(右)の得意とする被写体イメージ

Xレンズのロードマップに、23mm F2、50mm F2、80mm F2.8マクロが新たに加わる

この3本を入れると、Xレンズは25本のラインナップを達成する

1/8,000秒のハイスピードシンクロが可能なクリップオンフラッシュ EF-X500を使用した作品

「画質と機動性と操作性、そのベストバランスはミラーレス構造とAPS-Cにある。もうフルサイズ機は不要です」(高橋氏)

X-T2のテクノロジー

富士フイルム 光学・電子映像事業部 営業グループ 統括マネージャーの飯田年久氏は、新製品「X-T2」の特長について、デモを交えながら紹介。富士フイルムイメージングシステムズ 代表取締役社長の西村亨氏は、キャンペーンなどの国内営業施策について、スピーチした

富士フイルム 光学・電子映像事業部 営業グループ 統括マネージャー 飯田年久氏

X-T2、6つの特長

多くの人が関心があるであろうAF性能について、飯田氏がデモを行った

俊敏さと粘り、どちらを重視するかを設定する「被写体保持特性」

コーナリングするレーシングカーなどの撮影に有効な「速度変化特性」

AFゾーン内で優先する被写体の位置を設定する「ゾーンエリア特性」

タッチアンドトライコーナーのステージで踊るバレリーナを飯田氏が撮影

フォーカス精度と肌色再現性の高さを同時に証明してみせた

左から、AF-C設定の「SET2 障害物に強い」、「SET4 急出現に強い」、「SET5 激しい動きに強い」で撮影した作品

X-T1の連写時ブラックアウトイメージ。半分以上のコマでブラックアウトしたままシャッターを切っていた

X-T2の連写時ブラックアウトイメージ。その差は歴然だ

X-T2とXF100-400mmF4.5-5.6Rで撮影した戦闘機

X-T2とXF16-55mmF2.8R LMで撮影したライブステージ写真

AdobeのPhotoshop Lightroomプラグインとして提供されるテザー撮影ソフトも登場予定

このような、複雑に光をコントロールするスタジオ撮影などに威力を発揮する

X-T2は周辺機器との組み合わせで、あらゆる撮影シーンをカバーすることが可能になる

富士フイルムは、動画や映画を「動く写真」と定義する

X-T2は4K動画にフィルムシミュレーションが適用できる

この搭載には世界中のビデオグラファーからの要請があったという

X-T2の4K出力は、通常の1.8倍の解像度でサンプリングを行っている

パワーブースターグリップVPB-XT2を使用すると、撮影枚数は1,000枚になる(本体のみの場合340枚)

パワーブースターグリップVPB-XT2はバッテリーだけでなく、CPUを搭載。分散処理を行うことで、X-T2が大きくパワーアップする。連写は最高11コマに

X-Pro2も新ファームアップで新アルゴリズムAFや多機能フラッシュ対応が可能に。時期は10月の予定

富士フイルムいわく、X-T2は「ミラーレスの決定版」

富士フイルムイメージングシステムズ 代表取締役社長 西村亨氏

X-T2は、高画質と動体撮影性能の両立を実現した

7月7日からX-T2予約キャンペーンがスタート。2つのコースが用意される

XFレンズもキャッシュバックキャンペーンを実施。カメラと同時購入するしかない!

X-T2の体感イベントも開催される

セミナーやプロサービスにも力を入れていくという