ここ数年、クーラーメーカー各社は水冷に力を入れる傾向が続いている。中でもユーザーに人気なのは、空冷と同じような感覚で気軽に導入できるオールインワン型の簡易水冷だ。すでに市場には一通り製品が出揃っていることもあり、2016年のCOMPUTEXでは、各社から個性的なモデルが投入されていた。

もう台湾は真夏のような暑さであったが、COMPUTEXが終われば、日本にも夏がやってくる。PCが熱暴走を起こし、大事な番組の録画に失敗した……なんて悲劇を防ぐためにも、熱対策はしっかりやっておきたいところ。以下、各メーカーの新製品を紹介するので、参考にしてもらえば幸いだ。

Antec - DIY水冷に参入

Antecは、オールインワン型水冷CPUクーラーの新モデルとして「Mercury」シリーズを出展していた。外観上の特徴は、アイアンマンの胸のアレをイメージしたという水冷ヘッド。48度以下のときは青、60度下では緑、それ以上では赤と、発色により温度が分かる機能がある。ラジエータサイズは、12cm、24cm、36cmの3種類。

水冷ヘッドの外観がユニーク

ラジエータのファンはリング状に光る

水冷ヘッドのカラーは検討中とのこと

また、DIY水冷にも参入する。ラジエータ「RCT120」「同240」「同360」は12cmファン用で、放熱性能に優れた銅製フィンを採用。リザーバ一体型ポンプ「P450-130」「P450-180」は、1時間に450リットルと強力ながら低振動のポンプを搭載しており、リザーバの容量はそれぞれ198mlと338mlとなる。

ラジエータはサイズ違いの3モデル

リザーバ一体型ポンプは容量違いの2モデル

be quiet! - 同社初のオールインワン型水冷CPUクーラーを展示

be quiet!のブースでは、同社初となるオールインワン型水冷CPUクーラー「Silent Loop」を見ることができた。「Pure Wings 2」ファンを採用しており、同社らしい静音性の高さが特徴。水冷ヘッドは薄型で、設置時に周囲との干渉が起きにくい。簡易水冷ながらクーラントの補充も可能となっており、長期的な使用にも向いているだろう。

ラジエータは12cm、24cm、28cmの3種類がある

また、新型ケースファンとして「Silent Wings 3」も展示されていた。フレームの開口部が広くなっており、静圧がアップしているという。具体的なスペックはまだ公表されていなかったが、通常モデルに加えて、高速回転モデルも用意されるようだ。

フレームが単純な円形ではなく、広がっている

普通は右側のファンのように、フレームは円形だ

AeroCool - 新ブランド「Project 7」を発表

AeroCoolは、新ブランド「Project 7」を発表。カラーイメージを統一したケース、クーラー、電源といった製品群を展開する。オールインワン型の水冷CPUクーラーとして登場したのは下位モデル「P7-W240C」と上位モデル「P7-W240 Pro」。前者はフローインジケータ、後者はリザーバ一体型ポンプを搭載するのが特徴的だ。

「P7-W240C」にはフローインジケータも装備

「P7-W240 Pro」はリザーバ一体型ポンプを備える

両モデルとも、水冷ヘッドを押すと色が変わる機能付き

SilverStone - オールインワン型の新モデルと変り種ケースファン

SilverStoneの「TD02-PRO」「TD03-PRO」は、オールインワン型水冷CPUクーラーの新モデル。面白いのは、ポンプをラジエータに内蔵したことだ。水冷ヘッドからポンプが消えたので、マザーボードに余計な振動を与えることがないという。

24cmラジエータが「TD02-PRO」、12cmが「TD03-PRO」

ラジエータの中にポンプが埋まっている……

また、変わり種のケースファンも展示していた。「FHP141-RE」は、回転の向きをスイッチで切り替えられるという14cmファン。もう1つは名前も無い試作品だが、リモコンで発光カラーや発光モードを変えられるという。どちらも面白いのだが、ニーズがあるのかどうかは良く分からない。

反転ファン。気分によって吸気と排気を入れ替えてみる?

リモコンで発光を制御。まあ便利かもしれないが……