説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『バッテリーの使用状況にある「バックグラウンド処理」の意味は?』という質問に答えます。

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iOS 8から『設定』アプリに追加された「バッテリー」画面では、iPhoneにインストールされているアプリのバッテリー消費状況をチェックできます。操作時点を基準として、「1日以内」と「1週間以内」という2つの方法でバッテリー消費量が集計され、消費量が多いアプリほど上位に表示されます。

このことから、あまり利用していないにも関わらず上位に表示されたアプリは、バッテリー消費に関してなんらかの問題を抱えているものと推測されます。そのときには、アプリの設定を見直す、不具合が解消されているかもしれないのでアップデートが配布されていれば適用する、などの対策が有効となるでしょう。

ひとつの目安となるのが、「バックグラウンド処理」という表示の有無です。バックグラウンド処理とは、いま現在操作対象ではないがアプリの処理は続行しているという意味で、具体的にはサーバとの通信や音楽再生が挙げられます。たとえば、SafariでWebブラウジング中にメールの到着がわかるのは『メール』アプリがバックグラウンドでメールチェックしているためですし、カレンダーを見ながら音楽を聴くことができるのは『ミュージック』などの音楽再生アプリがバックグラウンドで再生処理を行っているためです。

「バッテリー」画面に「バックグラウンド処理」と表示されるアプリは、バックグラウンド時のバッテリー消費量が多いものです。バックグラウンド時のバッテリー消費量が多いということは、通信のような描画を伴わない処理に大きな負荷がかかっている可能性が考えられます。その場合、サーバとの通信頻度を見直すなど、非操作時の電力消費を抑える設定を検討すべきでしょう。

なお、「低信号」や「圏外」という表示がある場合は、iPhoneの置かれた場所の電波が弱いために基地局を探す処理に多くの電力を費やしたことがわかります。通信状態が芳しくない場所に長時間滞在する場合は、機内モードを有効にしたほうがいいでしょう。

『設定』の「バッテリー」画面で時計ボタンをタップすると、アプリが消費した電力の内訳がわかります