デルは、COMPUTEX TAIPEI 2016に合わせて開催されたプレスカンファレンスにて、2-in-1タイプの「Inspiron」シリーズ計6機種を発表した。中でもインパクトが大きかったのは、17インチとノートPCとしては広大なディスプレイを持つ「Inspiron 17 7000 2-in-1」だ。
ディスプレイ部が360度回転し、キーボード入力に使用する「ラップトップモード」、プレゼンなどに用いる「テントモード」、動画の鑑賞などに最適な「スタンドモード」、手に持ってSNSなどで使える「タブレットモード」と、4つのスタイルに変形する。同社は、2-in-1で17インチの製品は世界初としている。
今回、デルのコンシューマ向け製品マーケティング担当バイスプレジデントのレイモンド・ワー氏にInspiron 17 7000 2-in-1について聞く機会を得た。そのインタビューをお届けしよう。
レイモンド・ワー氏。コンシューマ向け製品マーケティング担当・バイスプレジデント。コンパック、HP、サムスンを経て3年前にデル入社。台北を本拠地として、XPS、Alienware、Inspironを担当する |
17インチの2-in-1は「イノベーションへの挑戦」
――業界初となる17インチ2-in-1ですが、なぜこのサイズを出そうと思ったのでしょうか?
逆に言うと、どうして今まで17インチの2-in-1がなかったのでしょうか。我々は、2-in-1はノートPCとしても優れた製品であると考えています。世の中にはスマートフォンをはじめ、タッチディスプレイの製品があふれており、若い世代ではノートPCにもタッチ機能が必要と思う人が増えています。大画面のPCでもタッチ操作でき、さまざまなスタイルで使用できるマシンが求められるだろうというのが最初の発想です。
――サイズ的には、家族などが一緒にいる時に使うイメージでしょうか。
もちろん。一番の目的は、ほかの人と体験を分かち合えるようにすることです。従来ノートPCは個人向けのデバイスでしたが、大画面にすることで、体験をシェアできるようになる。コンテンツを複数の人で鑑賞できるのはもちろん、タブレットモードにしてテーブルに置けば、アイスホッケーのゲームで遊ぶこともできます。ディスクリートGPUを搭載しているので、映像の表示についても満足いただけると思っています。
――持ってみたところ、2kg前後の印象でした。家庭内で持ち運べそうですね。
カラオケのマシンとしてはどうでしょう? 日本で人が集う場面で、面白い使い方があれば教えてください。
――日本の住宅は狭いので、簡単に移動できるモニタとしての需要も大きいと思います。
もっともシンプルな使い方ですが、奥さんとベッドで横になりながら映画を鑑賞することもできますよ(笑)。
――話は変わりますが、市場ではすでに多くの2-in-1 PCが発売されています。その中で、デルの優位性はどこにあるのでしょう?
当社のデザイン哲学は、何よりお客さんの体験を重視しています。詳しく言うと、機能、デザイン、カラー、材料、そして完成度にポイントを置いています。2-in-1というと、回転や脱着といった機構に目が向けられがちですが、それ以上の細かい部分に至るまで、エンジニアの観点でベストな製品を作ることを心がけています。例えば、2-in-1はいろいろな形に変化するため、電源スイッチひとつとっても各モードで使いやすい最適な位置に配置してあります。
また、ワイヤレスのパフォーマンスも最大限発揮できるよう設計していますし、タブレットとして手に持って使うこともあるため、排熱の機構についても十分に配慮しています。
――現状では何とも言えないとは思いますが、17インチモデルはどのぐらい売れると想定していますか?
正直、業界初ということもあり、イノベーションへの挑戦といった意味合いが大きい製品です。希望としては、グローバルの自社2-in-1シリーズの中で、10~15%売れればいいなと期待しています。
――最後に価格について教えてください。13インチ、15インチを含む「Inspiron 7000 2-in-1シリーズ」としては749ドルからと発表がありましたが、17インチモデルは?
第6世代Core i7プロセッサ、1TBのHDD、独立ビデオカード(GeForce 940MX)搭載のモデルで、999ドルを想定しています。ラインナップ自体は第6世代Core i5搭載モデルの899ドルから用意があります。
――999ドルをそのまま日本円に変換すると11万円前後。思ったよりも安いですね。日本での発売を期待します。有難うございました。