N高のPR動画。普通の高校とは異なることをアピールしている

石破大臣の基調講演に先立ち、ドワンゴによる発表会が行われた。「地方創生と教育に関する新たな取り組みについて」という内容だった。ドワンゴ、カドカワが教育でどのように地方創生に関わっていくのか……お察しのとおり、そのカギは今年4月に開校したばかりN高等学校だ(以降、N高)。

ドワンゴ取締役の大井川和彦氏は「N高というネットを活用した教育を地方自治体に提供し、教育拠点としていただきたい」と話す。具体的には地方自治体の役場の一部や廃校、空き家などにインターネット接続可能な端末を設置し、そこでN高の課外授業プログラムを使って勉強するというものだ。ドワンゴは、この計画を「Nセンター」プロジェクトと名付けた。

地域住民と生徒のコミュニケーションの場を提供

役場の一部や廃校、空き家などを活用するのがNセンターのポイントといえよう。そもそもN高は、ネットで授業を受け、ネットでレポートを提出し、ネットで高校卒業資格が得られる教育システム。家庭にパソコンがあればわざわざ外出する必要はない。だが、Nセンターという“物理的な場所”を設け、そこに生徒が通うという仕組みを採っている。大井川氏は「通学の場を提供することで、生き生きと勉強してもらいたい」と、そのねらいを語る。自治体側も「街や村を歩く若い世代の姿が、自治体の雰囲気を活性化させる」と、この方針を歓迎する。

また、地域住民の中から「チューター」(学生への助言、サポートを行う制度)を選任しNセンターに常駐させる。地域住民と学生たちのコミュニケーションを深めるねらいもある。