NVIDIAが5月7日に発表した2つの新GPUのうち、GeForce GTX 1080は27日に販売が開始され、初回入荷分が即日完売するなど、注目を集めている。もう一方のGeForce GTX 1070は、6月10日の発売が予定されているのだが、こちらについても気になっている人が多いのではないだろうか。今回発売に先駆けて、非常に限られた時間ではあるが、試用する機会を得たので、パフォーマンスについて試してみたい。
GeForce GTX 1070は、GeForce GTX 1080と同様に最新アーキテクチャ「Pascal」をベースとした"GP104"コアを採用した製品だ。16nmFinFETにによる製造となる。
すでにスペックの詳細は公開されているが、CUDAコア数は、GeForce GTX 1080の2,560基に対して、GeForce GTX 1070は1,920基で、640基削減されている。GP104では、128基のCUDAコアをまとめて、1基の「Streaming Multiprocessor」(SM)とし、さらにSMを5基まとめてGPC(Graphics Processing Cluster)を構成している。単純に考えるとGPC1基分少ないことになる。
動作クロックもGeForce GTX 1080では、ベース:1,607MHz、ブースト時:1,733MHzだが、GeForce GTX 1070では、ベース:1,506MHz、ブースト時:1,683MHzと少し引き下げられている。とはいえ、従来世代の製品と比べれば、1.5倍程度のクロックである。さらにメモリもGDDR5だが、8GBの大容量に加えて、メモリスピードは8Gbpsに高められており、256bitのインタフェースで、256GB/秒のメモリ帯域幅を実現している。これにより、前世代のGeForce GTX 970に対して、1.7倍の性能向上を達成したとしている。既存製品も含むスペックをまとめると以下のようになる。
■ 表1 GeForce GTX 1070と既存モデルのスペック比較 | ||||
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製品名 | GTX 1080 | GTX 1070 | GTX 980 | GTX 970 |
CPUコア | GP104 | (GP104?) | GM204 | GM204 |
プロセスルール | 16nm | 16nm | 28nm | 28nm |
CUDAコア数 | 2,560基 | 1,920基 | 2,048基 | 1,664基 |
ベースクロック | 1,607MHz | 1,506MHz | 1,126MHz | 1,050MHz |
ブーストクロック | 1,733MHz | 1,683MHz | 1,216MHz | 1,178MHz |
メモリ | GDDR5X | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ容量 | 8GB | 8GB | 4GB | 4GB |
メモリバス幅 | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit |
メモリスピード | 10Gbps | 8Gbps | 7Gbps | 7Gbps |
メモリ帯域幅 | 320GB/秒 | 256GB/秒 | 224GB/秒 | 224GB/秒 |
TDP | 180W | 150W | 165W | 145W |
補助電源 | 8ピン | 8ピン | 6ピン×2 | 6ピン×2 |
ソフトウェア面の強化は、GeForce GTX 1080と同様で、メモリをより効率的に使うための新しいカラー圧縮技術、1回のレンダリングに対して最大16の視点を設定し、VRやマルチディスプレイ環境での没入感を高めたり、パフォーマンスを向上する「Simultaneous Multi-Projection」といった機能をそのままサポートする。