実を言うと、筆者もDyson Supersonicの強い風圧は、髪を押さえ込むのに向いているので、ブラシを使った「クセ付け」のスタイリングには有効だと感じていた。Dyson Supersonicは3種類のアタッチメントを付属しているが、渡辺さんはブラシを利用したブローには細いアタッチメントを、手ぐしでざっくりと乾かす際には太いアタッチメントに付け換えていた。渡辺さんはアタッチメントについて、「付け換えがワンタッチで本当に簡単。使った直後に触っても熱くないですし、手早く交換できるのも本当にいい」と高く評価していた。

ブロー用の2種類のアタッチメント。太めのノズルがヘアドライ用の「スムージングノズル」で、細めがスタイリング用の「スタイリングコンセントレーター」

ノズルを髪に対して水平に当てることで、髪の広がりを押さえ込んで真っ直ぐにしながら乾かすことができる

ブラシを使ったブローの際はノズルの細い「スタイリングコンセントレーター」に。ノズルの先がブラシのすき間に入り込み、より密着して乾かせる

ロールブラシはブラシに対して垂直にし、風の力で髪を押さえ込んでしっかりとクセ付け。最後に冷風を当てるとセットが長持ちする

筆者はこれまで、ドライヤーのアタッチメントをほとんど付け換えたことがなかった。付け換えに手間がかかるうえにブローもうまくできないので、ドライヤーを髪を乾かすだけの道具として使っていた。しかし、渡辺さんのアドバイスを踏まえ自分でも試してみたところ、アタッチメント交換が簡単であることは、ブローの効率をかなり高めるのだと実感。手先が器用でないからこそ、切れ味のいい包丁を使うべきであるのと同じように、不慣れな部分を道具でカバーするというのは、ドライヤーにおいても言えることだと実感した。

これは、大風量と強い風圧ですぐに髪が乾いてしまうDyson Supersonicだからこそ求められる要素であったとも考えられる。髪が早く乾いてしまうからこそ、モタモタとしてはいられない。髪を乾かすのに時間のかかるドライヤーであれば、アタッチメント交換を手早くする必要がそこまで求められないと思うのだ。それを考えると、アタッチメントの改良は、Dyson Supersonicの高い性能を生かす要素として、必然的にもたらされたものかもしれない。

ダイソン氏もアタッチメント着脱の簡単さと、触れても熱さを感じない点をアピールしていた(4月の製品発表会にて撮影)

Dyson Supersonicには、「ディフューザー」と呼ばれるパーマヘア用のアタッチメントも付属している。渡辺さんによると、これは風をふんわりと当ててパーマヘアのセットを崩さずに乾かすことができるのが特長。家庭用としては一般的でないが、プロ用としては珍しくないものだそうだ。モデルの女性にパーマスタイルのウィッグを装着してもらい、実際に試してみたが、風量と風圧が大きすぎるとセットが乱れてしまうので、マストなアイテムだとすぐにわかった。

ダイソンのドライヤーに標準で付属する「ディフューザー」。パーマヘア用のアタッチメントで、スタイルを崩さないよう髪をふんわりと乾かす

パーマヘアのウィッグに向かってディフューザーなしでダイソンのドライヤーを当てると、このようにパーマヘアのセットが崩れてしまう

ディフューザーを装着して風を当てると広い範囲に穏やかな風が当たり、スタイルを崩さず乾かせる

一方、男性など短い髪の場合は、アタッチメントを装着せずに乾かすとよい。そのほうが毛の流れをあまり崩さず、短時間で乾かせるのでセットが維持できる。