風量と温度をそれぞれ別のボタンで設定できるのもポイントだ。渡辺さんは「こうした切り替えもこまめに活用してほしい。高温でだいたい乾かした後、温度を下げて強い風で乾かせば、熱による髪のダメージも防げる。Dyson Supersonicは、温度が髪の表面のタンパク質を壊すとされる78度を超えないよう、センサーで制御しており安心。風圧が高いせいか、髪の内側に熱がこもりにくいと思います。空気の密度が高く、たとえると水圧の強いシャワーで洗い流している感じ」と話す。

ハンドル側に電源スイッチと押している間が冷風に切り替わるボタンがあり、ヘッド部分には風量と温度を3段階に切り替えられるボタンがそれぞれ別にある

「操作スイッチがハンドルを握ったまま押しにくい位置にあるので、慣れるまでは大変かも」と渡辺さん

製品発表会でダイソン氏が「家族と会話しながら乾かせる」と説明していた運転音だが、音の大小というよりは、音の質が普通のドライヤーと違うように感じた。Dyson Supersonicは、掃除機の音にも似た、少し甲高い感じの音がする。音量は他のドライヤーと変わらないように思うが、離れている人には静かに感じるかもしれない。

スマホアプリで騒音レベルを計測してみた。風の吹き出し口から10cm程度の位置では、筆者が所有するドライヤーと騒音値がほとんど変わらなかった。一方、音の周波数は高いものが混じる

改良に期待したいのは、ドライヤーを握るハンドル部分。ヘッド部分との重力バランスを考えると致し方ないのだが、少々長い気がするのは否めない。直径が太いため女性の手には少々握りづらく、上から下まで同じ太さである点や、ヘッドに対して一直線に下に伸びているのも、傾けた際などにバランスが取りづらくなる要因だ。手が大きく力のある男性は、ハンドルの下方が握りやすいようだが、その部分にちょうど空気の吸込み口があるため、塞いでしまって運転が止まる場合もあるようだ。物理的にも難易度の高い改善点であることは確かだが、気になるポイントのひとつとして挙げておきたい。

短いヘッド部分とバランスを取るため、また内部にモーターを備えているために、ハンドルは長め。筆者の手にはやや太く、マイクを握っているような感覚になる。ヘッドに対してハンドルが下まで垂直方向に真っ直ぐに取り付けられており、太さも変わらない

筆者が考えたDyson Supersonicの持ち方。ヘッド部分が小さく短いため、グッと握ると、髪との距離感が把握しやすく乾かしやすい。こんな感じでボールのように本体を握って乾かすことができるドライヤーの登場を期待したい

ダイソンっぽさ満載の大きなコンセントプラグはドライヤーにも健在

折りたためないので収納には悩むかも。ストラップは結構シンプル

Dyson Supersonicは、これまでにない画期的な製品であるからこそ、ドライヤーの使い方までも変えてしまったと言えるだろう。細かい部分で改良の余地があるかもしれないが、適切に使えば抜群の性能を発揮するのは確かだ。筆者と同じように最初に「アレ?」と感じてしまった人も、ヘアースタイルや髪質に合った使い方で、その実力を十分に引き出してほしい。