説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『ソフトウェアアップデートの「後で通知」はなんのメリットが?』という質問に答えます。
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iOSソフトウェアアップデートの配布が開始されると、やがて「今すぐインストール」と「後で通知」の選択肢があるダイアログが現れます。前者をタップすれば、文字どおりただちにインストールが始まり、後者をタップすればなにも起こりません。
「後で通知」はソフトウェアアップデートを後回しにすることを意味し、取り込み中のためiPhoneの再起動がかかっては困るとき、とりあえずアップデートを様子見したいとき、現在のバージョンのiOSをそのまま使い続けたいときに選択します。後回しにしたからといって、ソフトウェアアップデートを実行できなくなることはありません。
このダイアログが表示された時点で、ソフトウェアアップデートのデータ(iOSを更新するためのファイル群)はiPhoneへのダウンロードを終えています。『設定』→「一般」→「ストレージとiOSの使用状況」→ストレージ欄「ストレージを管理」の順に画面を開けば、「iOS 9.3.2」などとiOSのバージョン名が付いたソフトウェアアップデートのデータを確認できるはずです。
「アップデートしない」ではなく「後で通知」にされている理由ですが、つねに最新バージョンのシステムを利用してほしいというAppleの方針の表れでしょう。前回のアップデート以降に発見された不具合が修正されたり、セキュリティ問題が解消されたり、ユーザには多くのメリットがあります。繰り返し通知することで、アップデートを促そうとしているのです。
ただし、iOSは旧バージョンに戻すこと(ダウングレード)はできません。iOS 8からiOS 9に移行するなどのいわゆる「メジャーアップデート」では、機能の追加により動作スピードが低下した、自分の使い慣れた操作性が変更されてしまった、というデメリットが生じることもあります。後で後悔しないためには、しばらくは「後で通知」を選択して様子見することが賢明かもしれません。