個人的な懸案であった「膝の上での快適なタイピング」という基準をクリアしてくれたiPad Proは、すでに4年間使っていたMacBook Proの代替として検討する対象に入りました。 筆者は2012年にRetinaディスプレイ搭載のMacBook Pro 15インチモデルを手に入れて使ってきました。当時を振り返ると、iPhoneやiPadで採用されていた高精細ディスプレイが使える、ということが最も重要な判断基準、キーファクターでした。なぜ大きなパソコンで、iPhoneよりもギザギザの輪郭の文字を読まなければならないのか。こうした不満を解消してくれたからでした。

しかしここ4年間、やはりiPadと同じように新型のMacを試してその魅力にも触れてきましたが、性能以外の大きな変化はありませんでした。特にビデオ編集時のパフォーマンスには大きな不満がありましたが、頻度から考えると買い換えるほどでもないと踏みとどまってきました。

こうしたとき、iPad Proが登場し、少なくともモバイル環境で使用するマシンとしては十分な役割を果たしてくれそうだ、という感触を掴みました。そこで、普段Macでやっていたことを、どれだけiPadに移行できるかを検討することにしました。

(続く)

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura