修理交換してもロックは解除されたまま?

iPhoneのSIMロック解除について、実は前々から疑問に思っていたことがあった。SIMロックを解除したiPhoneが修理交換になった場合、ロックは解除されるのか、ふたたび申し込む必要があるのだろうか。

ロック解除の手続きをしてわかったのは、SIMロック解除はハードウェア的な違いによるものではなく、同等の端末でソフトウェア的に切り替えているだけのようだ。ネットワーク側にSIMロック有無の設定が保持されているが、キャリアのネットワークなのか、アップルが管理しているのかはわからない。

iPhone 6sの場合、日本で販売されている端末のハードウェアは基本的に1種類。アップル直販のSIMロックフリー端末と、キャリアから販売されるSIMロック端末があるが、前述したようにソフトウェア的にしか違いがなく、さらにキャリアが設定を保持しているとすると、一度ロック解除して、さらにそのキャリアを解約してしまった場合、修理などで新しい端末に切り替えると、SIMロック解除の情報が正しく扱われない可能性もあるのではないだろうか。

この辺りが大変疑問に思ったので、ちょうどiPhoneを落として画面保護のガラスにひびを入れてしまったこともあり、Apple Storeで修理交換してもらうことにした。筆者はApple Care+に加入しているので、2回まで落下や水没の場合も即時交換(通常は3,300円)となるので、交換してしまったほうが楽なのだ。

上着のポケットからアスファルト上に落下して、フレーム凹みとガラスにひびが。とはいえ、それだけで済んで利用に問題はなかったのだから頑丈なものだ

アップルストア表参道のGenius Barに持ち込む。非常に混み合うので、事前に予約を入れておいたほうがいいだろう

Genius Barでは、担当者が端末を見て即座に端末交換と判断。ここで「実はSIMロックを解除してあるのだが」と伝えると、「海外で購入した端末ですか?」と聞かれる。SIMフリー端末の場合、海外仕様と日本仕様ではシャッター音の有無など微妙に仕様が異なる場合があるため、その確認だという。キャリア端末を解除した旨を伝えて、在庫確認の上、交換。15分程度で手続きはすべて完了した。非常にスムーズだ。

Apple Care+に加入しているので、本来5万円超の修理費がここまで低減された。Apple Care+、プロのライターの視点からもオススメです(ダイレクトマーケティング)

「SIMフリーの情報が行き渡るまで1時間くらいかかるので、1時間したら電源を入れてください」と言われて帰路に就く。約1時間後、電源を入れてみるとすんなりソフトバンクに接続。ここでまたSIMを入れ替えてみるが、こちらも問題なく認識し、接続できた。先ほどの説明からすると、SIMロックの情報はアップルが持っていて、各キャリアに通達しているのだろうか。iPhoneの販売台数を考えるとちょっと非現実的な気もするのだが……。

と、ここでひとつ気付いたことが。「設定」→「一般」→「情報」でモデル番号を確認できるのだが、最初に購入した端末が「MKUD2J/A」だったのに対し、交換した端末では「NKUD2J/A」になっている。本体背面にレーザー刻印されているモデル番号(利用可能な周波数帯に対応)としては「A1687」なのだが、容量とボディカラーでこうした番号が別途割り当てられているのだ。それにしても「N」で始まるものは聞いたことがない。修理交換用のリユース品用の番号なのだろうか?

修理交換前(左)、修理交換後(右)。モデル番号の頭文字がMからNに変わっているのがわかる

違いといえば、交換前の端末はCPUがTSMC製で、交換後はサムスン製だったということくらいだが、その違いでモデル番号が違うというのも聞いたことがない。

正解は確認しようがないのだが、もしかするとユーザー自身がSIMフリーにした場合、交換品は最初からSIMフリーとして販売される端末になるのではないだろうか? いずれにしてもSIMロックを解除したあとは、少なくともちゃんとその旨を伝えれば、修理交換後もSIMフリー状態が続いていることは確認できた。そのあたりは安心してSIMロックを解除していただきたい。今の所、ロック解除することについては、ほぼノーリスクです。