日本オラクルは4月27日、DCMホールディングスが、オラクルのデータベース製品の最新版「Oracle Database 12c」とそのオプション機能である「Oracle Multitenant」、高速データベース・マシン「Oracle Exadata Database Machine(Oracle Exadata)」などを導入したと発表。オラクル製品はグループ共通の統合システム基盤の全面刷新のために導入され、プライベートクラウド環境のIT基盤として稼働開始した。

「DCMホールディングス」Webサイト

DCMホールディングスは2006年に持株会社制を導入して以来、各子会社の既存データセンターからデータを集約する方式でのシステム連携を進めてきたが、地域や季節によって特性が異なる各店舗で多様なニーズに対応するため、鮮度の高いリアルタイムな情報の分析や、基幹業務プロセスを標準化、効率化できる柔軟なシステムが求められていた。そこで、今後のさらなる事業拡大にも対応できるグループ共通のシステム基盤を構築するため、オラクル製品を全面的に導入し、データベース基盤を集約しプライベート・クラウド環境へと移行することを決定した。

システム選定にあたっては、マルチテナント機能によりグループ各社のアプリケーションに影響を及ぼすことなく、独立性を維持しながらデータベース統合ができる点や、サーバ台数減によるコスト削減、データベースの開発・検証環境のスムーズな構築や環境の複製・移行の容易さ、運用時の保守サービスの充実度などのオラクル製品・サービスのメリットが評価された。

「Oracle Exadata」を導入した結果、CPU利用率を最適化したことにより、開店直前までかかることもあった日次夜間バッチ処理時間が約半分となり、システムの保守強化に多くの時間を割くことが可能となったという。これまでデータウェアハウス専用機で行っていた営業指標の分析を行う情報系システムにおいても、開示の前処理が約3時間短縮され、さらに多角的な情報の提供が可能となった。

従来システムと比較して初期費用を最大で40%削減できたほか、データベース統合によりバックアップの運用を一本化でき、11本あったサーバラックを4本に削減できたため、総保有コストも大幅に削減されたとしている。