展示会場には、産業用ロボットやFA製品などの新製品が展示されたほか、一角には FIELD systemコーナーも設けられていた。このページでは、FIELD systemコーナーを中心にレポートする。

展示会場

FIELD systemコーナー

展示会場では各種産業用ロボットを展示。こちらは安全柵が不要な可搬ロボット。人が近づくと自動で停止する

こちらは自動車の塗装ロボット

こちらはクランクシャフトのバラ積み取り出しロボット。内蔵ビジョンで3次元認識を行い、ケースに雑然とバラで入れられたパーツを正確につかみ取ることができるという

こちらはゼロダウンタイム機能搭載のロボット。ロボットとサーバをネットワーク接続し、保守用のデータを収集。サーバでデータを解析し、機構部やコントローラの潜在的な問題を検知する

前ページでは、FIELD systemはハード、ソフトを含めたCNC、ロボット、周辺デバイス、センサー向けのアナリティクスを提供するためのプラットフォームだと説明したが、会場内では、実際のハードウェアの構成例が展示されていた。

FIELD systemのハードウェア構成例

FIELD system利用されるサーバ「Cisco UCS C220 M3S」(右)と、工場内の設備の情報を収集するPC「FIELD BASE」(左)

「FIELD BASE」を使い、工場内の見える化を実現する

稼動状況確認画面

FIELD systemでは分散協調型機械学習を導入しているが、会場ではその展示も行われていた。

こちらは分散協調型機械学習の展示。上でバラ積み取り出しロボットを紹介したが、ゲームセンターのクレーンゲームのように、一度できちんと掴むのは難しい。この例は、3台のロボットを使って、どこを掴めば確実に取れるかを協調しながら学習する

FIELD systemでは、前ページで紹介したZDTや、上で紹介した稼動状況の把握(MT-LINKi)のプログラムも動作させる予定だが、展示会場では深層学習を利用した故障の事前検知プログラムの例が紹介されていた。

これは機器の振動、電流、速度、音などのセンサーデータから深層学習を利用して故障を事前検知するもの

深層学習のしくみ

また、FIELD systemは、同社の既存製品にも対応するという。下図はその対応例だ。

左は、タブレットでプログラムを書き、FIELD systemを通して指示。右は機能追加プログラムをサーバからダウンロードし、FIELD systemを通して複数の機器に同時にアップデートするという例

なお、ファナックではFIELD systemの提供にあわせ、これまでロボット、FA、ネットワークと分野別に分かれていたインテグレータを統括するトータルソリューションパートナー制度を開始する。現在、大手を中心に募集を行っているという。

ファナックではFIELD system提供に合わせ、これまでロボット、FA、ネットワークインテグレータの上位に来るトータルソリューションパートナーを募集