メッセンジャーアプリの変化とは

メッセンジャーは現在、1対1もしくはグループのコミュニケーションツールになっており、音声やビデオ通話をサポートし、画像やアニメーション、絵文字なども添付できるコミュニケーションプラットホームへと急速に進化した。ユーザー数は9億人で、毎月10億通のメッセージが流通する。このメッセンジャーをビジネスプラットホームに変化させる意義は2つある。

月間アクティブユーザー9億人のメッセンジャーをビジネスプラットフォームに変える意義とは?(画像:Facebookニュースルームより)

1つは、アプリなしでのモバイルの体験の実現だ。これまで、スマートフォンで企業がサービスを提供する際、まず考えるのが専用アプリだった。モバイルウェブよりも体験を作り込むことができ、ホームスクリーンにブランドのアイコンが表示され、エンゲージメントを高める役割も担ってきた。

ところが、必ずしもアプリのダウンロードとアカウントの作成が、ユーザーにとって快適な作業ではない。特に新興国では、以前として2Gの通信速度と少ないストレージのスマホが使われており、アプリのダウンロードや端末内への保持は、苦痛ですらある。

メッセンジャーのビジネスプラットホーム化は、これまで当たり前だったスマホ体験をよりライトなものに変えることで、ユーザーの負担を極限まで下げることができるだろう。

2点目は、Facebookのビジネスにおける影響力の拡大だ。企業のメッセンジャーアカウントは、Facebookページにひもづく。メッセンジャーでのビジネス展開を強化するには、企業のFacebook活用の拡大が不可欠であり、企業もユーザーも、より長い時間Facebook上で過ごすことになる。

モバイルでの広告や決済などが主力となってきたFacebookにとって、プラットホーム内での滞在時間の拡大は、売上自体を拡大させる最もわかりやすい変化といえる。